第3話:プレセラ王女、魔力測定検査の時間!

「はぁあーっ!」


「「「「ううおおーーー!!」」」」


力を出し過ぎないように意識しながらも、それなりの魔力量を放出し手に触れているガラスボールに注入した。するとたちまち青白い光がここから発光され、それで周りの生徒達も感嘆とした声でこの訓練場一杯が騒がしくなったようなの。


「はい、そこまで!プレセラ王女殿下の魔力量測定値は、【オズナーボール】を通して100,000ポイントとなりました!それで、今年度の一年生組の全てから測っても、殿下の方が1位となりそうな結果は確実ですねー!」


「わあおーー!さすがはうちの国の王女様だねー!」

「もちろんですわよ!プレセラ様ですもの!1位となる以外の結果はありえないですわね!これで、またもわたくしの勝ちですわねー、お~ほほ!」

「くッ!今年は他の国から編入してくる王族の中に人ぐらいプレセラ様に適う者がいるのかと期待してしまったことが過ちかー!くそ!」


わいわいがやがやと騒いでいる最中のこの訓練場の生徒たちのようだけれど、あっちの集団は私の測定検査をみて賭け事をしていたのかしら?それっぽい話し声の内容がこっちまで響いてきてまあ(こういう時、自分の聴力の鋭さがこうも便利なのはありがたいけれど、そろそろ飽きてしまうのよね......)


タ、タ、タ......


「おめでとうございます、お姫様!やっとお出番のご検査を無事に終えられましたね」

「ええ、もっと他に骨のありそうな実力者が現れないかと期待した分、損した気分だわ...」


本当はもっとライバルが欲しくて、そして実力差があまりない者と組みたかったけれど、これでは期待薄じゃない!


ガードネル王立魔法学院の【トリオ戦術チーム】の制度では、入学式が行われる前の小テストでリーダーとして最初に応募し登録した者(この場合は私)は最初のチームメイトの入隊資格をリーダーである自分自身で決められるので、最初のメンバーはもちろん私の良き従者であるミリアに決めたんだけれど、あの制度の最も重要な事項は最後の第三目のチームメンバーを【リーダーである者の有する魔力量と最も近しい数値でなければならない】とされるらしいの。


だから、こうも実力差がありすぎると、一体どんな弱虫が私の最後の仲間になるのやら......


入学式早々の最初の日に全生徒の3人組ペアリングを決める【魔力量測定検査】なのだけれど、学院の伝統と習わしにて、この国の一番上流階級の学生の身分である王族が最後に測定検査を受ける決まりなので、もう私の他に全ての学生が既に検査を受けてしまったので、誰も彼も私との魔力量ポイントが同等な者はいないことは既に分かっているのよね。


もう~!なんなのよ、この状況はー!

あっちのカールズウィック王国のリシア王女も、あのリンウェル王国のサロメ王子も役立たずの中の役立たずじゃないー!おかげで、私に庶民と組めというのー!?


なんか、庶民の中には10人か、12人までもがポイント20,000ポイント越えな者もいるようで、前者の二人の他国系王族の13,000から15,000本ポイントと大きな差を記録することで、比較的にはこの国の最たる権力者である王女の私があの庶民の中から最後のチームメンバーを選ばなくてはならないようだけれどー


「もう他に選択肢はないのですよね、お姫様......」


私の側に控えてるミリアはもう観念するように首を振りながら両目を閉じて私を宥める素振りを見せてるようだが、


「王女殿下のポイント数値はもう記録済みでしたので、次は王女殿下の次に実力差の近い者に連なるあちらの12人から前に進んで、殿下もいらっしゃるこちらまで歩いてください!」


「「「「はっ!」」」」


【トリオ戦術チーム】の制度ではリーダーである私が自分より下から実力差の近い者を第3目のメンバーとして指名でき、迎え入れることが可能なので、たとえ私との魔力量の差があまりにも大きくても、他に最も近いなのはあちらしかないので、本当に庶民と組んじゃわなきゃならないなんてなぁ......はぁあぁーー


別に庶民を嫌ったり、見下したりはしないけれど、せめて貴族の出であるほしかった......


そうなれば、いちいち接して来る度に過剰な恐縮した振舞いしてこないはずなのにー!(まだ貴族の出の方が遠慮の仕方が丁寧で過剰ではないと思うので...)

これではますます面倒ごとが増えてくじゃない!


 「それではー!」

バー―ン!

「待て――!そこはもっと僕のことも考慮してからの決定にしてくれないかねー!」


えっ?なにー!?

....

「はぁぁー、はぁぁー!、や、やっと間に合って良かったね!お陰で遅刻したと気づいてから全速力走ってきた甲斐もあるというものだよー、あははは...」


「ミリア、あれって?」

「ええ、そのようですね、お姫様.....」


どういう訳か、遅くなってるあそこの男子学生が走ってきながら勢い良くドアを開けた途端、やっと私と近しい程の魔力量を肌を伝ってやっと感じるようにはなったのねー!なんか身体の内側の隅々から煮えたぎるようなワクワクとした闘志が沸き上がりそうな感覚だわ~!


そう、あの、...顔だけ見れば本当に整っているような美形な美男子、容姿端麗に見え、肌も男の子にしては異様に色白な、あの清潔感溢れる銀髪の学生からは得も言われぬような不思議な力を感じ取ったの!


「そうだよ!この一騎当千な魔力を誇る僕こそ、そこのプレセラ王女の3人目のチームメイトとなるに相応しい実力を持つと証明してみせるよ!今からね!」


ぴか!

「お姫様ー!」

どういうことか、あの男子学生がびしっと人差し指をこっちに向けながら元気よく微笑かけた時、隣のミリアがいきなり警戒してるような動作で私と彼との間の目線が遮られるように出張ってきたんだけど、それはー!?


ああぁ、そうかぁ。

成程ね!


心なしか、好青年っぽい明るい挑戦者っぽい響きを彼の言動から窺えても、彼のその端麗な顔が浮かべられたあの微笑からは滲み出てきそうな、どこか暗くて影のような物も感じ取れた気がしたんだけれど、ミリアが過剰に警戒するのって、あれのせいなのかな...?


こう見えて、ミリアと私はどっちでも魔力属性では【内面気分探知能力】も備わってるからよ!

人の気分を敏感に感じ取れるのは、もう日常茶飯事みたいなものよね!


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アルティメット・トリオ 黒のクワメと白のシレシア @silesia156

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