作品鑑賞に作者の背景を含めるか、含めないか。
私は、楽しむなら含めた方がいいと思います。
作者が立派であってほしいとかではなくて、その人柄や生き方からその作品が生まれたかと思うと、作品への興味や愛着や感動がより強まる気がするからです。
ぽんぽん丸先生との出会いが自主企画の主催者としてレビューをいただいたことだったので、ついつい評価する側される側のように思っていましたが、ぽんぽん丸先生もまた自分の作品で試行錯誤し、挑戦している”カク人の一人”なのだと思い直しました。
今、自主企画で人間関係が広がったと思いますが、その皆様は”自分の最高の恋愛小説はコレだ!”とぽんぽん丸先生に投げ込むメンタルでよろしいのではないかと思います。
ジャンルは恋愛でありながら、私にとっては文学への思想について刺激された一作でした。
どこかへ行く途中、何気なく立ち寄った本屋のようにこの作品と出会いました。
とても短いお話。
他愛もないちょっと素っ頓狂な会話。
素っ気ない返事。
それなのに、どうしてこんなに心惹かれたのでしょう。
ヒロインに余命があるわけでもなく、運命のいたずらの様な障害があるわけでもなく。
それなのに読み終わった時、紛れもない愛を感じました。
ドラマチックでなくていい。
世界の中心で愛を叫ぶ必要はない。
本屋の出口で笑い合えればそれでいい。
手に入れてから何度も読み直す本があります。作者自身の考えとは異なるようですが、「100%の恋愛小説」と言うキャッチコピーがついています。
今回のこの作品も、何度も読み直すだろう恋愛小説だと思います。