第6話 それでも私で在りたくて

バリーーーンッ


狂獣と化したテクノ父は前の建物の中

を突っ切ると派手にガラスを割って、

マキナに襲いかかった


瞬間!それはマキナの作戦開始の合図

でもあった…


マキナ「作戦開始だ!」


メリナ達「了解!」


みんなマキナの作戦開始の合図を聞き、

作戦の位置に着く


そしてマキナはと言うとスキル使用者

と思われる人物が隠れている道に走って

向かっていた


するとすかさずテクノ父はマキナをそこに

行かせまいと誘導するかのように隣につき

飛びかかった


マキナはその一瞬、スキル操作の痕跡を

見逃さなかった


マキナ「当たりだな…クククッ」


マキナはテクノ父の飛びつきを軽々と

ジャンプしてかわすと、隠れていた人物の

いた道に入った


またその数秒前…


マキナがスキル発動者の隠れている場所に

走り出した頃


謎の人物「くそっ、寄りにもよってこっちに

走って来るなんて…早くここを離れないと…

少しでも時間稼ぎになるようにアイツに誘導

させれば…」


謎の人物(これで、少しは時間稼げるかしら…今のうちに……)


トッタッタッタッタッタタ…


そいつはマキナから逃げようと走った

しかしその先には奴らが待ち構えていた


サッ


トットッタ……


謎の人物「アンタ達誰かしら?今急いでるの、そこを通してくれ…!貴方は才木テクノという事は、あの少年の手の者か…」


メリナ「マキナのこと?言っとくけど手の者

って私アイツの部下になった憶え無いから」


才木テクノ「貴方ですか!お父さんに

何かしたのは!」


ボン「テクノちゃん泣かせたら許さねぇ

からなテメェ!」


謎の人物「アンタ達が私を止められる

訳無いじゃない!」


謎の人物はメリナ達に向かって

再度走り出した


タタタタタンッ


そしてメリナ達の前で6m程飛び上がった


メリナ「げ!どんな運動神経よ、人なの!?」


才木テクノ(まずいこのままだと逃げられる)


その時マキナが角から現れた


マキナ「そう来たか!プル 共鳴玉だ!」


プル「ププリュー!!」


するとプルが何か口から取り出して空中の

謎の人物に投げ付けた


ぷよッ スー…


その何かはその人物に当たった瞬間スっと

入り込んだ


マキナ「よしっ!おっと、まだ追われてる

んだったな、なあ お前らそこどいた方が

いいぞ〜」


テクノ父「ガガウガウゥ!」


メリナ「いやぁぁぁぁ〜〜!!!!」


メリナ達はギリギリのところで通り過ぎる

狂気を回避した


才木テクノ「お父さん……」


その頃、ワープ装置で寝ていたネズを

起こそうとする男がいた


ボン「なぁ、ネズ!起きろってネズ!!」


パッ


ネズ「な、なんでやしょうボンの旦那!!」


ボン「なんでってもうそろそろプルから

聞いたマキナってやつの伝言もうやり始めた

方がいいんじゃねぇか?」


ネズ「もうそこまで作戦進んだでやんすね」


ボン「TV中継の事はSNSで情報広めたからよ沢山観てくれるとは思うが…俺 別にいい事思い付いてよ♪コソコソコソコソ……」


ネズ「えぇ!」


タッタッタッタ


そこに車でコソコソ話をしているボン達に

気が付いたメリナの才木テクノが走って来た


メリナ「何してんのアンタら?」


ボン「おうメリナかぁ…ってテクノちゃん!?アワワワワっ」


才木テクノ「ん?」


メリナ「そんなに慌てて怪しい…」


プル「ぷゆ〜…」


一方謎の人物を追い掛けているマキナは…


謎の人物「クッ、執拗いわね!!…でも

このスピードに着いてこられるなんて

やっぱりあの方と何か関係あったり?」


ダダダダダダダダッ


マキナ(金髪で2つ髪を丸めてる普通の

人間だよな〜…にしてもスキル持ってん

のはどういうことだ?)


マキナ「あの方…?なんの事だ?」


テクノ父「ガガウッ」


マキナ「うおっ、危ねぇ…そろそろ

ケリつけるか…」


金髪の女「ケリを付ける?何言ってんの

アンタが私を見ることはもう無い…」


次の瞬間、金髪の女は走りながら地面に

何かの玉を投げ付けた


ボワッン…


マキナ達は一瞬で煙に包まれた



金髪の女「無駄、少し進めば煙が無くなる

と思ってるかもしれないけど…この煙は半径10kmで広がるこの惑星では手に入らない

代物…もうアンタには私が見えない…」


マキナ「見る…必要ないぜ!そんなもの!」


マキナは1点に走り出した


金髪の女「何言って…あ…あれは…」


タタタタタッ


マキナ「見付けた…フッ」


ヒョイっ


金髪の女「何で!?え、跳んだ?……はっ!」


見事煙に巻いたはずのマキナが現れたと

思いきや彼女の目の前に現れたのは狂獣化

したテクノ父だった


テクノ父「ガウッ」


金髪の女「いやぁ!!」


彼女は反射的にスキルを解除した

しかし勢いは殺せずそのまま激突した


金髪の女「うわっ!」


ドシッ……


金髪の女「………いったーい!」


スタッ


マキナ「チェックメイト…クククッ」


金髪の女「何よ!なんで私の位置が

バレるのよ!」


マキナ「お前が逃げてる時に仕込んどいた

共鳴玉は言わば俺と兄弟の証、まぁコピー

だけど…そいつを相手の中に馴染ませると

俺とプルにだけそいつらの位置やスキル操作

をどれだけ遠くても感知出来るんだ…」


金髪の女「って、私の中にその何とか玉

入ってるって事!?最…悪…これからずっと

アンタに何してるか筒抜けってわけ…」


マキナ「別に俺はそれ取り出せるぜ〜」


金髪の女「!……お願いします!私からその

ストーカー玉取り出して!」


マキナ「なんか嫌な響きでバカにされてる

気がするが、まあ、取り出してやる」


金髪の女「え!?アンタ結構優しい」


マキナ「けど、条件がある…」


金髪の女「やっぱり優しいの撤回……」


マキナ「お前にはこの男の娘の為に一芝居

うってもらう…」


金髪の女「一芝居ぃ!?何させる気なの?」


マキナ「えーっとなぁ…」


マキナはその金髪の女に一芝居の

内容を伝えた


マキナ「じゃあ、準備完了だな…あ、

そういえばお前名前なんて言うんだ?」


金髪の女「アンタなんかに言いたくないけど

特別に教えてあげる……テマリ…よ」


マキナ「へ〜」


テマリ「なにそれ?!」


メリナ一行…


才木テクノ「ボンさん達はどっか行っちゃい

ましたね……」


プル「ププユー!!」


メリナ「どうしたの!?プルちゃん」


マキナ「なあ、聞こえるか?メリナ」


メリナ「マキナ?!って事はもう犯人

捕まったの?」


マキナ「ああ、それは後で話す、とりあえず

プルからワープバッチ受け取ってくれ!

こっちに呼びたい」


才木テクノ「ボンさん達はどっか行っちゃ

いましたよ」


マキナ「それは大丈夫だ!」


メリナ「ふーん、分かったわよ…アンタにも

何か考えがあるんでしょ…」


そう言うと2人はプルからワープバッチを

受け取った


シュンッ


マキナ「うっし」


才木テクノ「わっ!本当にワープした、

凄いですねこのバッチ」


メリナ「で、なんで呼んだわけ?」


マキナ「なにって、まだメインイベントが

終わってねぇだろ…」


メリナ「メ、メインイベントって……」


マキナ「おい、お前!」


才木テクノ「はい!私ですか?」


マキナ「名前は何だ?」


才木テクノ「才木 希乃実です!芸名は

才木テクノって言います!」


マキナ「え、どっちなんだ、それ?」


メリナ「みんなテクノちゃんって言ってる

んだからテクノでいいんじゃない?」


マキナ「よし、じゃあ才木テクノお前には

これから最も大切なものを賭けてギャンブル

をしてもらう!」


才木テクノ「ギャンブル?」


メリナ「アンタ!今もう何にも危機的

じゃないじゃない!」


マキナ「賭けの内容はお前を信用してる

者達が俺の話す内容を聞いた後も信用を

続けるかだ」


メリナ「ちょっと!それってまさか!」


マキナ「そうだ…才木テクノ、お前の父が

何者かを公開する」


メリナ「アンタ!流石にやっていい事と…」


才木テクノ「私賭けます!」


メリナ「テクノちゃん…」


才木テクノ「私もう親からも世間の目から

も隠れ続けるの嫌なの!!」


マキナ「上出来だ………!おい、

出て来ていいぞ!」


その掛け声を聞いて隠れていた角から

犯人の金髪の女が現れた


メリナ「あ!!コイツ犯人じゃん!

逃げられちゃうよ!」


マキナ「大丈夫…逃げられねぇし、

もう逃げる気力無いから…」


テマリ「最低だよコイツ!」


ゴンッ


テマリはマキナに蹴りを入れた


マキナ「いちちっ何すんだよ!!」


メリナ「コイツが最低なのは認めるけど

どういう意味か説明して」


マキナは計画の事をメリナに話した


メリナ「なるほど一芝居うってもらう…ね」


マキナ「じゃあ早速始めるぜ…そろそろ…

お、来たきた!」


プル「プユーー!」


マキナはプルに何か頼むとテマリが

位置に着いた


マキナ「プル、繋いでくれ!」


プル「ププーーッ!」


その頃、プカプッカ国中の映像モニタには

マキナ様子が映し出されていた


街の人々「突然なんだ?誰だあのガキは?」


マキナ「クククッようお前ら俺と

賭けをしないか?」


街の人々「子供がふざけてるのか?」


マキナ「まぁ、賭けと言っても俺の賭けは

特別でなぁ…負けたやつは賭け金の代わりに

そいつの最も大切なものを失う事としてる」


街の人々「失う事としてるってそんなの

誰がやるかっての…」


マキナ「もし最も大切なものが自分の

命だった場合コイツみたいに死ぬ事になる」


プルがテマリを映した


国中が騒めいた


街の人々「キャーー!本当に賭けで人が!」


そしてトドメにマキナは悪魔のような尻尾を

カメラに見せ付け言った


マキナ「俺は賭けが大好きな悪魔なんだ、

そして今回面白そうなやつを見付けたぁ!」


プルが才木テクノにカメラを向けた


街の人々「えぇ!?アレってテクノちゃん

じゃん、裏組織に連れ去られたんじゃ…」


マキナ「ちょうどコイツともめてる所を

見付けてな…」


プルがマキナの発言に合わせて映し出した

のは裏組織のトップの顔


それを見て最も焦ったのは、

警視庁本部だった


警視庁はすぐにテレビを消すことを

国中に呼びかけた


しかしプルの中継には特殊な

ロックがかかっている為電源を

切る以外では消せない仕組みになっていた


お茶の間「警視庁が言ってきてるって事は

もしかしてこの人が裏組織の人物なんじゃ」


国民は警視庁のストップを聞かず、

街の映像モニタが消えればスマホ

を釘付けで見る始末…


マキナ「これで分かっただろ?

それじゃあベットの時間だぁ…」


街の人々「ベット?」


マキナ「賭けはこれから言う内容を聞いた

後も今のまま才木テクノを応援し続けるか、または応援を辞めて才木テクノを忘れるか

で行う…」


街の人々「そんなのって…」


マキナ「さぁ、先にベットしてもらうのは

才木テクノだ さあ 思うままにベットしろ」


才木テクノ「私みんなにまだ伝えたい想い

沢山残ってるから、みんなまだ私でいたい!みんなを信じたい!だから!」


才木テクノは応援し続ける方の手をとった


マキナ「さあ、コイツはもう覚悟を決めた

みたいだ…じゃあ、コイツの秘密をみんなが

聞いた後にもう一度質問をするとしよう!」


才木テクノ「………」


ファン達「テクノちゃん……?」


才木テクノはその詰まる声を一生懸命

絞り出した


才木テクノ「私は、私の父は………………

ゼノベクターの組長なんです!

…本当に…申し訳ございませんでした……」


その言葉に国中が静まり返った…


すると国中の中人々の声がプルを

通して聞こえてきた


「最低だね…」

「どれだけ迷惑かければ気が済むんだよ」

「あ〜あもう消えたねこの人…」

「終わってるよコイツ…」


才木テクノ「そうだよね…間違ってたのかな

やっぱり……私にアイドルなんて……」


その時、罵声の中から聞き覚えのある声が

聞こえた


「俺達はいつでもテクノの居場所だぞー!

俺達をテクノちゃんの自分である為の理由に

させてくれーーー!!」


するとそれがみんなにコダマしたように

声援のが次々と聞こえてくる


「テクノちゃん、そんな事でアイドル

捨てないで〜!」


「1人でそんな事抱えてたんだ、

これからはもっと応援させてもらいます!」


「帰ってまた僕らに夢をくれーー!!」


数々の声援に才木テクノの苦痛の涙は

愛に包まれ感謝へと流れが変わった


才木テクノ「ありがどう…みんなぁ…」


マキナ「お前の勝ち…みたいだな…」


マキナの元に沢山のホールハートが

集まってきた……勿論才木テクノからも

マキナはそれを静かにしまうと言った


マキナ「お前にはまだやる事が

あるんじゃないか?」


才木テクノ「え?」


マキナ「プルから聞いたがボンとかいう

やつらお前の為にとっておきのステージ

用意してくれてるらしいぜ」


才木テクノ「ボンさんが…」


シュン プシューー


メリナ「あ〜も〜、車のところまで戻るの

大変だったわよ〜…」


才木テクノ「メリナさん!」


マキナ「みんな待ってるぜ、行ってこいよ」


才木テクノ「うん♪ありがとう!」


メリナ「なにこれ?もう行っていい訳?」


マキナ「おう!」


メリナ「もう私迎えに来ないからね、

徒歩で帰んなさいよ!」


シュンッ


メリナは才木テクノを乗せてボンの

用意したとっておきステージの近く

にワープした


ワープした才木テクノ一行は…


シュン プシューー


「テクノ!テクノ!テクノ!テクノ!」


メリナ「わぁ〜、もうかなり人来てる

じゃない!ほら、頑張って!」


才木テクノ「メリナさんも本当に、

ありがとうございました!またいつか

恩は返しますね♪」


メリナ(ドキッ♡あっ、ハートいかれたわ…)


才木テクノは夢を届ける為にステージの

階段を上った


トンタッタッタッタ


パーーーッ


才木テクノはステージの光に照らされる

それと同時に、野外ステージいっぱいに

歓声が響き渡った


ワァーーーワァーーー

ワァーーーワァーーー


才木テクノ「ファンのみんな!私の居場所で

居てくれてありがとう!ワガママだけど……これからも私の生きる意味でいてください」


ワァーーーワァーーー


ボン「当たり前だぜテクノちゃーん!」


ネズ「あっしは新規出やんすがこれからは

手厚いファンでやんす!!」


ボン「え?お前いつの間に……」


するとステージからテクノの聞き馴染んた

初リリース曲が流れ始めた


その日は才木テクノのありがとうコンサート

によるテクノの歌声と歓声が響き続けそれは

やがて国中にも届いたとのこと


それは勿論父親にも届いていた


マキナ「な、あれがお前の子供が必死に

積み上げた努力の証だ…」


希乃実の父「私は自分の欲求だけ見て

他は何も見てやれてなかったんだな…」


ウーーーー ウーーーー


マキナ「なんか来るみたいだな、じゃあ

俺はやる事があっからこれにて倍々!!」


そう言ってマキナは猛スピードで

去っていった


テマリ「ちょっと!ストーカー玉

取りなさいよーー!!」


希乃実の父「私も変わるべきなのかもな…」

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天体超人ルーレットマキナ ソラねこ @nennekosensei

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