第55話 その後

 まあそんな騒動を起こしながら、学校生活に戻る。

 向こうの記憶があり、多少ギクシャクはしたが、向こうですぐに殺した奴らだけは、問題がなく日常生活に戻れたようだ。


 問題は、現地妻である女の子を、殺されたり犯された連中。

 かなりのトラウマが残った様だ。


 そして、長時間残っていた連中は、力加減が分からないし、魔法をつい使おうとする。

 長年の癖はなかなか直らず、まるで中学二年生の教室のようだ。


 そう無詠唱で使えていたが、いざ使えないと、呪文を言ってみたりする。

 魔法が使えないのが悔しいらしい。


 まあ、この世界の管理用設定パネルをオンにすれば使えるが、そんな事をするとパニックになるだろう。

 物理関係にも影響をするからな。


 そして、休日の度に女の子が押しかけてくる。

 

「やっほー来たよ」

「母上が、お若くなっておられる」

 誰が言葉を教えたのか知らないが、少し言い回しが堅苦しいが、皇帝の一族だから仕方が無いのか?


 そしてこいつら、何日も泊まる。

 おかげで、また記憶が曖昧になるを繰り返す。


 その成果なのか、成績が爆上がり。

 何度も同じ所を繰り返し覚えるから、丁度長期記憶への書き込みがうまく行ったのかもしれない。

 まあ途中で、教科書を持って行って、お勉強を始めたのだが、丁度良いと小学校の時の教科書を持ち込んで、子ども達に勉強もさせているし。


 俺は俺で、マネージメント関係の本を持ち込んだ。

 無論甲子園で優勝するためのあれも、持って行ったよ。

 組織管理には重要だからな。


 そして、化学の本とか物理の本。

 工作関係とかまあ手当たり次第に持ち込み、急激に文明が発展をする事になる。

 そしてその中心地は、皇都である。


 意図的に、文明格差を付けてある。大陸の外縁は遅れていて、中央に来れば発展。

 ロールプレイングのようだが、目の届かない地方は、遅れさせておかないと、何かが起こったときに面倒になる。


 そして、バランスの良い格差は上昇志向と、プライドを満足させる。


 でまあ、当然だが向こうからも、地球に来たがるわけだ。

 また専用の魔法陣を創る。


 まあその頃には、無事に皆大学生となり、在学中に会社を作る。

 なんせこっち側でも稼がないといけない。

 もう向こうに住むかという話もあったが、親兄弟もいるし色々と面倒なことに成る。


 雑貨屋というか、工芸品をこっちで売る。

 買い付ける材料と、出来上がる品物が多少つり合わないが、まあそこまではバレないだろう。

 一度税務署の人が来たが、適当に記憶をいじって帰した。

 俺は他の奴らと違い、魔法が使えるのだよ。


 そしてだ、こちらでは入籍はできないが、各親を集合させて、向こうに連れて行った。


 謁見の間で、親達を見下ろし迎え、階段を落りて妻とすることを誓う。

「こっ皇帝? ここはどこかの国なのか?」


「高校生の時、騒ぎがあったでしょう。その時、皆が来ていた国です。力で国を一つにまとめ帝国が誕生をしました。此の大陸に今は国が一つです」


 それでまあ、説明をしつつ、大きくなった孫と、時間の因果関係を説明。

 すっごく面倒だった。


 今の所、日本と国交などは考えていないが、こちらは資源の宝庫。

 自噴している石油もあるし、将来的には何かを考えても良いかもしれない。


「まあ、こんな物かな」

「そうね、良いんじゃない? でもね、皆を見ていると私も子どもが欲しくなったわ」

「俺とお前の子ども? 創るといやな予感しかしないが、下手すると、新世界とかできるんじゃないか?」

 そう言うと、八重は悩んでいたが、ありえそうだと思い諦めた。


 まあそう言うことで、奇妙な事に巻き込まれた数年だったが、終われば俺達の都合に良い様に収まった。


 これから先、日本側にばれれば、世界初の異世界との国交樹立そうなれば、他の国も手を出してくることになる。


 税務署員が余り頑張らないことを祈ろう。


 そして、彼女達の両親が許して貰ったあと、創るのではなく、普通に子どもを作った。

 親達は、複雑そうだが、皇帝の直系という事だし、こちら側でそだてられる孫という事で喜んでいた。


 まあ認知はしたし。


 ああ、そうそう、一部の奴らは小説を書いて発表したし、あの時の力を取り戻そうとしている奴らも居る……

 そして、鈴木達現地妻グループは、彼女ができても過保護というか、心配性というか、目を離せば何かが起こりそうと心配をして、女の子からフラれまくっているようだ。

 一番の被害者は、こいつらだったのかもしれない。


 まあ俺らから離れて、行動をした所為と言えばそれまでだが、かわいそうなので少しだけケアをしてあげた。


 多分今は、目の前で浮気されても、ニコニコしているだろう。


 大体これで、上手く収まったと思う。

 これから先、俺と八重は、二つの世界を見守っていこうと思う。


 神は、基本退屈なんだよ……



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 お読みくださり、ありがとうございました。

 同時に三つも四つも上げて、少し誤字脱字が増えお見苦しかったと思います。

 徐々に、推敲は行います。


 そして今、新作を書いています。

 少しお待ちください。

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神の都合と俺の都合 久遠 れんり @recmiya

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