目印を追って、追いかけてふと、我にかえる
- ★★★ Excellent!!!
無味乾燥な日々を送る主人公。
結婚して四年目、妻の心はもう他へと移り
遅くまで神経の張り詰める仕事を終えて
かえる家庭は安らぎの場所ではない。
淡々と続けるには憂鬱な日々を、彼は
甘んじて続けている。何かのアクションを
自ら取る事も、既に諦観のうちに流されて
行く。
今更もう、拘ったとしても。
嘗ての自分へとかえる訳でもない。只、
何かを忘れている様な。遠い昔の、子供の
頃の記憶を思い起こせば。
ずっと、追いかけて来たのだろう。
過去へと立ちかえる。まだ幼かった頃の
あの頃の自分へと。
目印は、足跡。
追いかけて
追いかけて
惨劇なのか、何一つ残らない部屋の中で
ふと、我にかえる。