人物紹介 (ネタバレ有り)




 本編読了後(1章)、または、ネタバレオッケー派の人がどんな物語か見たい場合、もしくは次章を読む際に見直せるように作成した人物紹介です。

 ネタバレが盛大に含まれているので、読む場合は注意してください。

 では、どうぞ!




 シエル・エンティア


 本作主人公。

 目元にかかる程度の長さをした灰色の髪と、ターコイズの瞳が特徴の少年。

 読書が好きで、趣味と呼ぶには行き過ぎているほどの執着を持ち、逆に他の事には基本的に無頓着。


 それは、彼が持つ固有魔法『第二書架コクマ・ライブラ』による影響で、この魔法によって作られた固有空間にいる間は歳を取らず、他者とは違う時間の流れを生きなくてはならないからである。

 そのせいで、引きこもってしまい三十年以上出てこなかった過去も持つ。

 ティアと婚約者となってからは少しずつ外と関わることも増えてきたが、他者を信用できないという感情は根強い。

 また、この感情は王国の『司書』として、王国貴族の裏側を見聞きしてしまった事も影響している。


 彼の固有魔法『第二書架コクマ・ライブラの能力は、知識を蓄える秘密の空間の出入りと、その知識の顕現。

 知識として蓄えた記録のイメージを現実に反映させることが出来る。

 シエルはこの能力を魔法の顕現として使用しているが、なぜかこの魔法自体は王都の近くでしか使うことが出来ない。

 だが、そのデメリットを従者であるアントンが持つ不思議な首飾りで補っている。


 ティアの王国脱出……その際、『司書』としての役割に囚われ、シエル個人としてどうするべきか、どうあるべきか迷い、決断できずにいた。しかし、彼女の想いや、オウルの死。そして彼の想いの丈に触れ、少しずつではあるが前を向くようになった。

 停滞からの前進。

 彼の行く末は、いまだ誰にも分からない——




 ティア・ソフニール


 本作ヒロイン。

 色素の薄い金の長髪を後ろで纏め、白銀の瞳をした芯の通った性格の王国第三王女。

 しかし、生まれながらにほとんど魔力を持たないせいか、王国から出来損ないのレッテルを貼られており、幼少期には失意のどん底に沈む。だが、司書として空っぽな目をしたシエルを見て奮起し、魔法は使えないからと剣の道に進んだ。


 その目標は、王国を変えること。

 だが、歳を重ねていくうちにこのままでは無理だと悟り、己の知見を高めるためにも意識を外へ向けていく。

 そうして、王国から脱し、世界を知るという目標を立てた。


 シエルが魔爆石ロルピスの対処の赴いた際、持ち帰ったものを炸裂させ王城を混乱。王国を脱出しようと試みる。

 その際に、シエルも共に来て欲しいと対話するが、シエルからは答えを出してもらえず、騎士団に囚われてしまった。

 そのまま投獄され、処刑を待つだけとなったが……シエルに助けられ、脱獄する。

 その時に従者であるオウルの死を知り、シエルと口論になるが、そのおかげで意志は定まった。

 世界を知り、経験し、オウルの願いを叶える。

 笑っていて欲しいと、その願いを現実にするために、ティアは世界へと旅立った。




 アントン・アルトーラ


 シエルの従者。

 齢百を越えながらも姿勢よく佇み、白一色に染まった髪をオールバックに整えている老人。

 元王国騎士団長であり、騎士団でも歴代最強と称されるほど戦闘能力は高い。それは、老いた今でも並の人間では相手にならないほど。

 シエルの事を息子のように思っており、血は繋がってはいないが導き、助けようと日々過ごしている。


 ティアが王国脱出を企てた際、悩むシエルにやりたいようにと助言にならない助言をしたが、これは、言われるがまま読書以外に意志をほとんど示さない彼に前へ進んで欲しいからという親心である。

 そして、最後には彼の前へ立ち塞がり、覚悟を問うた。




 オウル・レイトッド


 背中で纏められた黒い長髪に、鈍色の瞳を持つ青年。

 ティアの従者であり、共に剣を学んだ仲でもあり、師でもある。

 元は孤児で、飢えて死にそうなところをティアに保護され、従者となる。

 ティアの剣として、盾として、彼女を大事に想いながらも、その心には蓋をして一線を引き、幸せを願っていた。


 ティアが企てた王国脱出の助力者であり、唯一の理解者。

 彼女の願いを叶えるために囮として動いていたが、捕まったと知り、文字通り命を賭してシエルに助けを求めた。

 その結果、命を落とすことに。




 シア・クルデウス


 艶のある黒の長髪と深紅の瞳が特徴の女性。

 王国魔法部隊隊長であり、唯一、シエルから魔法を直接教わることが出来る地位にいる。

 その戦闘能力の高さから、一部民衆からは英雄扱いされているようだ。


 シエル達が王国を脱出する際、追うことが出来る立場にありながら、見逃すという王国の意図とは異なる行動をしていた。

 彼女の真意は、まだ誰にも分からない。




 ミュゼ・コルディア


 ふんわりとした金髪とサファイアの瞳が特徴の少女。

 優しく、素直な性格だが、どうやら事あるごとに土下座をしようとする癖があるらしい。

 生来からの不幸体質であるが、不幸に見舞われてなお無傷であることからシエルからは逆に幸運体質ではないかと評価されている。


 聖国の聖女であり、巡業の旅の途中、体質が改善できるのではないかとシエルを頼った。

 無理ではあったが、そのことを残念がりながらも憤ったりはせず、シエルと再開した際には怪我人が出るかもしれないと無償でシエルの仕事を手伝おうとするなど、心優しい面がよく見られた。

 また、ティアとシエルが婚約者だと知った際には、興味津々となって問いただす年頃の少女らしい一面も見受けられる。




 アイナ・エークエス


 ポニーテールにした小豆色の髪と、オパール色の瞳を持つ女性。

 ミュゼの護衛として共にいるが、性格は彼女とは打って変わってお調子者といった感じで、一種のトラブルメーカーなのかもしれない。

 護衛でありながら、戦闘狂として一面があり、戦いを楽しむことがままある。


 聖国の騎士でも上位にいるほどの強者らしいが、その本領は不明。

 分かっているのは、ドラゴンを単騎でも撃破出来るという彼女自身の言葉だけである。

 そして、実際に単騎でドラゴンと渡り合い、自身の実力を証明してみせた。

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世界を紐解くコクマ・ライブラ ——引き籠り司書は世界に飛び立つ—— かみさん @koh-6486

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