チョロ鬼娘と行く! To LOVEる満載な地獄紀行
- ★★★ Excellent!!!
なんと言っても鬼娘が可愛らしい。とにかく「チョロい」ので読んでいてニヤニヤさせられます。
地獄の獄卒の鬼娘として、亡者である主人公に色々と語りかけてきます。そうして等活地獄や黒縄地獄など、八大地獄と呼ばれる場所を次々とめぐり、主人公にそれらの地獄を体験させようとしてくる。
でも、その度に色々とやらかしてくれます。その際に主人公から「ちょっとした気遣い」を見せられると、あっさりとデレた様子を見せてくれる。
「旦那! この娘、相当にチョロいですぜ!!」と、読者はおそらく読んでいる途中、隣にいる見えない誰かに話しかけたくなることでしょう。
この鬼娘、チョロい上に相当な「アホの子」なので、地獄を巡る度に自分からどんどん「To LOVEる」な展開まで引き起こす。
本作の面白いところはこの鬼娘のチョロ可愛いところだけでなく、途中で「ある事実」が見えたところからストーリーが二転三転していくこと。
ラストの結末なども「地獄」という場所にまつわる法則などが生きてきて、思わぬ着地を見せてくれます。締めくくりも爽やかで微笑ましく、気づけば笑顔になることでしょう。
「地獄」という素材をしっかりと料理しきった、とても完成度の高い作品でした。
そして、ASMR作品を念頭に書かれた作品なので、自然と鬼娘の声が頭の中で響いてくるのも特徴です。
虎柄ビキニを着用している設定から、個人的には「上坂す〇れ」の声が聞こえてきましたが、果たして音声化の際には誰がCVを当てるのか。