ハッピー・デイ7

 蘇我与鷹率いる三人と一匹の軍は、船旅をしていた。鬼ヶ島に行くためだ。

 船は大型高級クルーザーである。

 マジで快適。


『ついにたどり着いたな、鬼ヶ島に』

「ついにと言っても、一週間船旅をしただけですわ、場所はググって見つかりましたし」

「風が気持ちよかった……ニャン!」


「おい。お前ら、鬼をぶち殺す準備はできたか?」


 一人だけ野蛮人がいた。


「うわー。ぶち殺すとか言っていますわ。キモいですわ。職場にいるやけに熱血な同僚みたいなやつですわ」

「人によってはモチベーションが下がる……ニャン!」

『蘇我くん。そういうのは言っちゃダメだよ』


 与鷹は無視した。


「目の前の鬼ヶ城の頂点に鬼の王がいるらしい」


 どうでもいいことだが、🏰このタイプの城ではなく、🏯このタイプの城である。

 与鷹たちは城に入る。

 んで、早速、四天王が現れた。


「四天王最弱のうーちゃん! 喜鬼!」

「四天王最弱のどーちゃん! 怒鬼!」

「四天王最弱のあーちゃん! 哀鬼!」

「四天王最弱のたーちゃん! 楽鬼!」

「四天王最弱のふーちゃん! 負鬼!」


「「「『なんで四天王が五人なんだよ! なんで全員四天王最弱なんだよ! なんで一気に来ちゃうんだよ、お前らが来ると五人分のセリフをプラスで考えなきゃいけないから、大変なんだよ! これで登場人物が九人だぞ! キャラが多くて対処できないんだよ! 鬼王で十人になったら終わり!』」」」


 それは本編でも同じなので言わない。


「えーいいじゃんー」「そうですよ」『いいやダメだ』「うー人が多すぎるよー」「やっぱりそう思う……ニャン!」「うるっせえな! 戦おうぜ!」

「野蛮ね」「負負負負負負負負」「宿命は、人生の意味なんだ」


 あーあ、言わんこっちゃない。


「オラワクワクすっぞ」「その血の宿命ぃー」「グゥおおお」『我々は宇宙人だ』「あーティーカップぺろぺろしたいですわ〜」「Uターン対マン、すなわち黒猫!」「涙は燃やせ」「愚負負負負負負」「すちゃ。なるほどそういうことですか」


 あーあ。キャラまでぶれてきた。

とにかく、目的を言って落ち着こうよみんな。 


「俺は宿命のために、鬼王を倒す!」

「哀しいけど、鬼王を倒します」

「倒す……ニャン!」

「嬉しいなあ。あの鬼王と戦えるなんて」

「負っ負っ負。鬼王を倒すしかないのです」


『鬼王のところには行かせない』

「むかつくぜ! 鬼王様に叛逆しようなんぞ!」

「たのしーなー。よくわかんないけどー」

「鬼王様のところには行かせませんわよ」


 ついに、味方と敵もシャッフルしてしまった。

 こうなったらもう、一つの陣営に固まるしかないんじゃないかな?


「なるほど!」

「けど、それだと敵がいません」

「嬉しいことです」

「美しい敵がいいわ」

「魔女の敵……ニャン!」

『我は鬼王と戦ってみたいぞ』

「イライラしてきた! なんでこんなことに!」

「それは鬼王のせいなのです」

「なんだか楽しくなっちゃうな♪」





「「「「「「「「『鬼王を滅す』」」」」」」」」





 全会一致で鬼王討伐軍となった。


 さてさて、このさきどうなることやら。

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最弱魔女の異世界転移〜魔法のない異世界で無双する、ここでなら私は最強!〜 杏林キタリ @EBITIRIparty

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