第7話 拾う。

 そして、私は虹菜と出会った、公園でのキャンプ生活を始めた。トイレと水道があるので衛生面は大丈夫である。


 食料はカ◯リーメイトと野菜ジュースのみであった。


 虹菜がいつ来てもいいように睡眠はなるべく避けていた。イヤ、正確には眠ることが出来なかった。当たり前だ、キャンプ初心者の私が眠りに着くには厳し過ぎる環境だ。


 一日、二日、三日、四日と日にちが経つにつれて私の体と心は悲鳴をあげ始める。


 五日目の夜、ついに、私は泣きながら祈った。


 この生活から逃げたい、神様どうかこの虹菜との日々の記憶を消して下さい……。


 ―――………。


 翌朝、私は何故こんなボロボロの姿で公園にてキャンプをしているのであろう?


 そう、ここしばらくの記憶が無い。家に帰ろう……。


「なんですの、ここは私のホテルなのです!」


 私と同じぐらいか少し若い少女が怒って寄って来る。


「貴女は家が無いの?」

「悪の組織の幹部でもお金は無いのです」

「なら、家に来ない?」

「解ります、義姉妹になるのですね」


 限界を越していた私の体は思うように動かず難儀するが気持ちは落ち着いていた。


 結果、公園で出会った義妹を拾って帰る事になった。


 私は何故かほんの少しだけイジワルな神様に感謝する気分であった。

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公園に落ちていた少女をお持ち帰りしたら、私の義妹になって迫って来る。良いの?私、女子だよ。 霜花 桔梗 @myosotis2

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