第2話 動画撮影者


 塞がれた家は今は玄関ドアを塞いでた板が外され、窓を塞いでた板も何枚か外されて以前より少し外観は変わってるのですが、不気味さは相変わらずです。


 子供の白骨死体が見つかった事件の捜査も一段落して、その家に人が出入りする事は無くなりました。


 ですが、それを見越して待ち構えてた人達が居たようなのです。それは若い動画制作者グループだったようで、数人で来て敷地には入らずその家の周りで撮影を始めたと聞きました。


 そこそこ視聴者が居る動画投稿者グループらしく、事件の説明とか近所への聞き込みとかをしてたそうです。私の家には来ませんでしたが、知り合いの家に来られて強引に話を聞こうとして来て迷惑だったそうです。


 迷惑には思ったものの、その知り合いの人は彼らの動画に興味が湧いて見に行ったらしいんですが、その家の動画はいつまで経っても投稿されませんでした。


 ですが少しするとその動画投稿者が、また家の近くに来てたそうです。今度は撮影機材などは持っておらず、何故あの動画を投稿しないのかと聞きに行ったそうですが。 


「あの時の動画に自分たちに覚えのない物が撮れてたんです、あの動画はあげる事が出来なくなっちゃいました」


 と言ってたそうです。その内容は時折に仲間内で話してた会話のシーンで「あの家で見つかった白骨死体のユウキ君って誰なんだろうね?」という事を言ってるという内容だったそうです。それを奇妙に思い再度来てたとのことでした。


 もちろん彼らはそんな名前は知らないそうですし、白骨死体の性別だって知らなかったそうです。撮影時に話した会話の内容も詳しくは覚えてないそうで、そんな事を口走ったかどうかも記憶が定かじゃないと言ったみたいです。 


 それから数日後に、あの家で発見された子供の白骨死体が男性だという事が分かったと、また聴き込みに来た警察から聞かされました。


 あの家は呪われてるとかの噂がいよいよ強くなった時に、何処からか来た若者グループが家に侵入して事件が起こったのです。

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ボツ怪談集 轟鏡 @tepure35

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