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今回はお礼の短編を書きましたので、もし良かったら読んで行って下さい。
来苑とゲーセン
「瑞理ぃ~、まだ取れないんすかぁ?」
「待ってて来苑! もうちょっとで…あっ、ダメだった!」
来苑は友達の倉沢 瑞理と一緒に、学校終りの放課後にゲームセンターに来ていた。
制服でゲーセンに行くのは禁止なため私服に着替え、夕方の学生や仕事帰りの社会人が多い時間帯に来ている。
ゲーセンのような場所は音がうるさいので声での身バレ確率が低く、外で遊びたいタイプの所属者はそこそこ行ったりしていた。
「難しい! フィギュア取るのに1000円以上使っちゃってる!」
「のめり込みは危ないっての、まったくぅ~」
2人が居るのはUFOキャッチャーのコーナーであり、そこそこ混雑している。
客たちはお菓子タワーの景品を崩そうとしてたり、アニメキャラのグッズを取ろうとしていたり多彩に楽しんでる。
そんな中で彼女たちが挑んでるキャッチャーは『竜胆れもんプライズフィギュア・部屋着くつろぎバージョン』だ。
竜胆れもんが可愛い感じの部屋着衣装で笑っているポージングであり、プライズという事もあって出来はそこまで良くないが、悪くはない造形の景品である。
「来苑はすぐに取れたの良いよね~、私はぜんっぜん取れん!」
「偶然だって、良いから早くしてっての。後ろに待ちっぽい人も居るんすからっ」
来苑としては自分の分身みたいな存在のれもんを友達が取ろうとしてる事に気恥ずかしさもあり、早いとこゲットして離れたいとも思う。
そもそも自分のグッズとかが並んでるのを見るのが恥ずかしいタイプで、ありがたいとは思いつつも、前からこういう場面は少し苦手でもある。
そんな中、後ろの待ち客と思われる人達の声が、来苑にかすかに聞こえて来た。
「竜胆れもんフィギュア、まだあるから安心だな。向こうのゲーセンは品切れだったしな」
「そうなんだよな、自由鷹ナツハのフィギュアも品切れだったしよ」
「仕方ないって、あっちのゲーセンはキャッチャーの設定良いしよ。こっちは微妙なんだよな」
どうやらシャイニングゲートのファンのようであり、ナツハやれもんのフィギュアを求めてゲーセンを巡っていた事が分かる。
それを感じ取って瑞理も来苑も声バレしないよう静かになり、キャッチャーに集中するのだった。
「そういやさ、タクはナツハちゃん推しなんだよな? 今度に出るスペシャルフィギュアは買うの?」
「ライブステージ衣装の奴っしょ? アレは俺じゃ無理!7万円もするじゃん!」
「「…………」」
シャイニングゲートは限定高額グッズなども出しており、それらはクオリティが高いと好評ではあるが、同時に値段も高いから気安く買える訳ではない。
Vtuberファンは色んな年代の者が居るが、ボリューム層は若い年代の者が多い。若ければ金もない人が多いし、そうでなくとも何万円もする品は手を出せる人は限られるだろう。
「カズは竜胆れもん等身大ポスター付きのライブBD買うんだっけ?」
「おう、本当はナツハと迷ったんだけど、今回はれもんにしようって決めたんだよなぁ」
「値段は少し張るけど高額フィギュアほどじゃないし、ちょっと無理すれば買えるし良いよな!」
後ろの人達の会話に来苑と瑞理は聞き耳を立て、来苑は内心で『よっしゃ!』とか思ってたりする。
身バレは怖いと思いつつも、目の前に竜胆れもん本人が居ると知ったらどんな反応を見せるのかとか、やっぱり少しは考えてしまうのであった。
自分のファンが後ろに居る環境、スリリングだけど嬉しいやら何やらという感情だ。しかしそんな環境は長く続かない。
「でもよ、カズって竜胆れもんのメンバーシップとか入ってなくね? ナツハとシュフィのに入ってんだっけか」
「そうだな、だってメンシの料金もバカにならねぇし、竜胆れもんのメンシはボイスが少ないって言われてるしな」
「ナツハのメンシはスペシャルボイス多いよな、更新も多いしよ」
「「…………」」
ファンではあるけど箱推しのようで、れもんのメンバーシップには加入してない人だったらしい。
メンバーシップは活動者を応援するみたいな名目の物ではあるが、実際には加入特典がどうなのかによって加入率は変わる物だ。
「あ、取れた」
「よし、行こう瑞理」
景品も取れたので2人はゲーセンを後にして帰路につく。
「あ~もう! メンシ加入して下さいっすよー! ライブBD買うより安いっすよぉ! メンシのお金とか自分には入って来ないけど!」
「お、彼氏いない歴16年の叫び! 今日も良い声だね!」
「彼氏いない歴は今は関係なーい! てか瑞理もだろがい!」
メンバーシップ加入率は人気度やファンの厚さの大事な指標であり、メンシ加入者が多いか少ないかでも会社からの扱いは変わる。竜胆れもんのメンシ加入者は多いが、率で言えばナツハより割と下がる。
視聴者差別を防ぐためと会社の収益のために、所属者にはメンバーシップのお金は多くは還元されない。しかし金以外の部分での差が付くのだ。
「まあ良いじゃん、今はASMRとかの練習も前よりしてるんでしょ? メンシ限定の歌配信とかも最近は力入れてるって話だし、これからだって!」
「うぅ~…こんなんなら最初からメンシにも力入れとけば良かったっす…」
れもんは配信に力を入れてきたタイプで、メンバーシップ用の配信だったり取り卸しボイスを前は重視して無かった。
今でこそナツハにメンシも力を入れた方が良いと言われてやるようになったが、メンバーシップのイメージが変わるには少し時間が掛かりそうだ。
「メンバーシップかぁ~、私も研究とかyour-tubeで発表して収益にならないか試そうかなぁ」
「研究系とかは専門的なの伸びないよ瑞理、先輩がそう言ってたし」
アレコレと話しながら先程の事を忘れて行き、いつもの精神に戻って行くのだった。
ナツハやれもんとかのクラスになると街中でファンと思われる人に遭遇する事もあり、そういう場合は身バレを防ぎつつも会話に聞き耳を立ててしまうなんて事もある。今日はそんな日だった。
「まあ適当に頑張りなって、忙しくてぶっ倒れるなよ人気者め~!ははは~!」
「そうするっす、瑞理もあんまり研究に没頭し過ぎないでね。またねっ」
人気を維持しつつ高めていくには様々な活動が不可欠であり、運営はそこの所をしっかりサポートしてくれている。
来苑はこれからも頑張りつつ、先の事も考えながら活動して行かなきゃな~と思うのであった。
ericspiraldiverさん、ギフトでの応援ありがとうございます!
今週は寒くなると言われていましたが、思ったより寒くならなかったので安心しましたw
まだインフルとか流行ってるみたいなので、油断しないよう生活して行こうと思います!