@27natu27さんからギフトを頂きました!またしてもありがとうございます!
もう1月も終盤ですが、インフルエンザとか気を抜かないで乗り越えて下さい。あれは本当にツラですから。
そんな訳で今回も即興小説を書きました、どうにかセンシティブ描写は抑える事に成功しましたよ!
来苑が灰川に会う前と後
竜胆れもんこと来見野来苑は陸上競技が好きだ。
小学校の頃に成長期の余波で陸上に向かない身体になってしまったが、それまではオリンピックの選手になれるかもしれないくらいの実力だったのだ。
今でも陸上は好きだし、スポーツが盛んではない学詠館高等部の同級生女子の中では一番に足が早い。明るい性格で友達からも好かれており、嫌味な部分が無いから親しみやすい。
そんな来苑はショートカットヘアという事もあってボーイッシュに見られがちだが、年頃の女の子らしい悩みの1つ2つくらいはある。
「はぁ~、彼氏が欲しいなぁ~」
業界ナンバー2Vtuberである来苑は金銭的な悩みこそ無いが、異性への関心は高校2年生の子らしく同年代の子達と同じくらいはあった。
しかしVtuberもやってる上に活動の事はごく一部の者にしか言っておらず、時間も無いしリスク管理的にも誰かと交際するような余裕はない。
夏休み前の7人ミサキ事件が発生する前の学校の昼休み、ベンチに座りながら友達の横で女子高生っぽい悩みをグチってる。
「来苑、前から言ってるよね? 好きな相手じゃないとイヤなんだっけか?」
「そだね~、だって好きでもない人に尽くせないっていうんかね、ってか普通そうじゃん!」
「尽くされるより尽くしたいタイプなんだね、学校のイケメン総当たり作戦やってみたら?」
「だからっ、そういうのじゃないってのに! 瑞理(みずり)は自分が小学校の頃に、ネットで相談に乗ってくれた人のこと話したっすよね! ああいう人が良いの!」
「コーフンすんな来苑~、カワイイなぁ~」
来苑はボーイッシュな印象があるとはいえ見た目も可愛いし、性格も明るいから男子からは話し掛けられる事もある。何なら男子から告白された事もあるが、好きな人じゃないと付き合いたくないという理由でフった事もあった。
その好きな人の基準は来苑の明確な初恋とも言えるネットで出会った過疎配信者のギガンティック・ハイ、この人物が基準になっており、これ以下だと付き合いたいと思えないという精神になってる。
この基準は厄介で、人生で最もヘコんでた時期に励まされ勇気づけられ、その上で顔出し配信ではなかったから、来苑の中でギガンティック・ハイのルックスは天井知らずのイケメンみたいな事になってるのだ。
「まぁ、そのうち良い人が現れるでしょ、ギガハイさんより良い人。それにネットの存在に夢見すぎ、Vやってる来苑がそんなんでどーすんの?」
「だよね~、夢見すぎかぁ~、そのうち良い人来いよー! うぁー!」
「お、彼氏いない歴16年の叫び! 今日も良い雄たけびだこと」
「瑞理もそうだろ! お前も仲間じゃい!」
そんな青春の一幕を過ごしつつ昼休みは過ぎて行く、その数日後に夏休みに入ったのだった。
夏休みが終わり学校が始まって少しが経過し、来苑は男子や女子の視線を集める事になる。その理由は、何故か滅茶苦茶に可愛くなってたからだ。
元から可愛い容姿だったが、人目を引くタイプの可愛さでは無かった。しかし新学期になってから今までとは違った可愛さになっており、ボーイッシュで明るいのは変わらないのに注目を集めてる。
「いやー、来苑がこんなんなるなんて、思春期の恋のパワーってスゴイね」
「うぅ…そんな変わってる? 自分だと自覚無いんだけど…」
「メッチャ変わってる、顔とかスタイルじゃなくて雰囲気が違うんだって! 前はスポーツ大好き元気バカって感じだったけど、今はめっちゃ女の子って感じだもん!」
「元気バカってなんだー!」
来苑は最近にある男性に7人ミサキから助けられ、その人がギガンティック・ハイだった事が判明、一気に惹かれて異性として強く慕うようになっていた。
この一連の流れは非常に心に残り、もはや彼以外を異性として見れないくらいになってる。たまに授業中ですらその人物の事を考え、顔を赤くして心の奥から汗のような何かが染み出すかのような感情になる。
「でもさー、その人ってマトモな人なん? ヤバイ人とかじゃないよね?」
「完全にマトモだよ、ちょっと変わってるけど……ぅぅ…、どうしよ、考えただけで顔赤くなりそ」
「うわぁ…あの来苑がこんなんなるとはねぇ、見慣れた制服姿なのにスッゴイ可愛く見えるぞ~」
友達の瑞理からすると凄い変わりようで、以前の来苑と比べると3倍増しくらいで可愛く見えてる。それはクラスメイトなどからも同じ感想が聞けるだろう。
「来苑って彼氏に尽くしたいタイプみたいじゃん? だったらさ、もしギガハイさんと付き合えたらスッゴイ頼み事とかも聞いちゃう感じ? あははっ」
「えっ…! ぅぅ…えっと…、うん…聞くぅ…」
「マジか…ギガハイさんの命令で制服着てBL本買ってこいって言われたら聞く? そんな訳な……」
「……聞く…っ、レジでタイトル大きな声で読み上げて買ってこいって言われても…やるっ…!」
「…おいおい…その場面、私が見たいんだけど…!!」
瑞理はめっちゃBLが好きで、頭の中は割と薔薇色な妄想が蔓延ってる。その影響を来苑も受けており、ちょっと変な性質が移ってる。
来苑は変な事を顔を真っ赤にしながら言っており、ちょっと彼の事を考えただけで興奮気味になってしまってる。
「ま、まぁ、良い感じに行くと良いね! あ、あははっ……来苑をここまでたらし込むとは、やるなギガハイさん…」
「ぅぅ~……自分も空羽先輩とか史菜ちゃんみたくガンバるっす…! すごい恥ずかしいっすけど…」
そんな灰川が言う訳のないBLな頼みごとの妄想とかが2人の頭の中に広がってるが、そんな事は元ギガンティック・ハイこと灰川誠治は露知らずのままだ。
@27natu27さん、ギフトありがとうございます!
まだ続くと思いますので、お付き合い頂けたら幸いです。