ボツ怪談集

轟鏡

第1話 塞がれた家

 小学生の頃に学校から家に帰る途中、割と大きな空き家がありました。


 そこは近所の子供が何度もイタズラで侵入を繰り返し、厳重に戸締りされて窓などは板で塞がれ、ドアも子供が開けないよう外から板を打ち付けて完全に入れないようにしてあったんです。


 そうしてからは子供が入る事も無くなり問題は起きなくなったんですが、それから10年以上経って家の取り壊しが決まったようで解体業者が入ったんです。


 そしたら家の中から子供の白骨死体が発見されたそうで、警察が調べるために取り壊しは中止となりました。


 絶対に子供が入れないように対策した家は、同時に絶対に子供が中から出られない家になってしまってたのです。


 けれど発見された白骨死体が何処の誰なのか分からないのです、近所では行方不明になった子供はおらず、その家を塞ぐ時も大人たちが複数人で中に誰も居ないか確認してたそうです。


 一体どこから入ったのかも分からず捜査は続きましたが、結局は身元は不明のままでした。それからその空き家は幽霊屋敷として噂されるようになりました、割と大きな家だから見た目的にも怖さがあります。


 空き家の前を通ったら子供の声が聞こえてきた、板が外された窓から誰かが外を見てた、そんな噂が囁かれるようになったんです。


 その噂を聞き付けた何処かの若者のグループがその家に入って別の事件が起こったんですが、その時の話は今度にしようと思います。

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