第8話

 「お、お前はいったい誰なんだ!?」


 確かに、俺はルイズ・マリアラでもあるが、どっちかというと────


 「火村優介、かな」


 「ひむら、ゆうすけ……」


 「まぁ、ルイズでもあるんだけどね。そういえば、前世も合わせて俺が一番最初に殺したのは、両親だったなぁ。優しい両親だったよ。それはちょっとした好奇心だった、人を殺してみたいってね。たしか、こんな風に首を絞め殺しんだんだだよな」


 俺はヴァールに馬乗りになって、首を絞めた。


 「母親が、なんで?って顔で、首を絞めている間ずっと俺を見てきたんだよね。その表情を見たとき、勃起しちゃったよ。あのゾクゾクする様な表情、たまらなかったなぁー。あれっ、死んじゃった」


 俺は前世で、親を殺した時のような快楽を感じることはできなかった。


 「ヤバい、もっと殺したくなっちゃった。もう、家族全員殺すか。いや、いっそのことマリアラ領全て吹き飛ばすか。うんッ!決めた、そうしおう」


 とりあえず、家族を殺すことにした俺は、母親と妹を探す。


 「あっ、いたいたーお母様、ミーシャ」


 ミーシャとは俺の妹だ。


 「ルイズッ!大丈夫だった!?……ルイズ、どうしたのその血は!?」


 俺の服には、返り血がこびりついてあった。


 「それはねー、こうしたら付いちゃったんだよ」


 俺はアイサが持っていた剣を、母親に突き刺した。


 「ぇ゙…な゛ンで」


 「あぁぁあ、その表情だよ、ゾクゾクする」


 母親は、最高の表情を残して死んでいった。


 「お兄ちゃん……なんで」


 「あぁ、もうそれは聞き飽きたよ」


 俺は、妹の心臓に剣を突き立てた。

 

 「ふーちょっとつかれた」


 「主様、結局僕の出番なかったじゃん」


 「いや、これからお前たちには協力してもらいたいことがある」


 「協力してもらいたいこと?」


 「あぁ、1回全力で魔法を使ってみたかったんだよ、そこで、お前達にはマリアラ領以外に被害がでないように結界を張ってほしい」


 「なんだ、そんなことなら僕に任せてよ」


 「主様、それが終わったらご褒美をくれませんか?」


 「なら、我もご褒美がほしい」


 「ご褒美?何がほしいんだ?」


 「私を…抱いてください」


 アイリスが急に、訳のわからんことを言い始めた。


 「はっ?抱く?いや、お前女神やないん?」


 「女神にも、性欲はあります!」


 「ていうか、俺まだ10歳なんだが。精通してないよ。まぁ、その話は置いといてマリアラ領吹き飛ばしに行くぞ」


 「えぇ〜じゃあ、5年にお願いしますよ」


 「はいはい」


 屋敷を出て、目の前に広がるマリアラ領に、3人が結界を張る。


 「よし、準備万端だな」


 マリアラ領は、賑わっていた。そこには、たくさんの笑顔があり、いきいきとしていた。そこに向かって、全力で魔法を放つ。


 「インフェルノ!!」


 別に詠唱する必要も無いが、なんとなく言ってみた。


 

 

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