沸騰する祭×去らない熱

ゆ〜 @WGS所属

祭り

夜空を彩る一瞬の花。


周りは祭りでどんちゃん騒ぎ。

花火の上がる大きな音が聴こえる。


でも、君の小さくつぶやく声だけはよく聞こえてさ。

「花火きれい……」って見惚れる横顔も綺麗だ――』



パタン……


あぁ、やっぱり恋愛ものの小説はつまらんな。

陽キャがいて騒いで盛り上がり、イチャイチャするイベント。

それが「祭り」

この祭りの熱はきっとすぐに冷めてしまうだろうし、忘れられてしまう。

まあ、そんなこと俺には関係ない。

だから今日こそは一歩も外に出る気なんてなかったのに……。



……またかよ。


知らんやつに連れ出された。

強制的に。

もうこのタイムリープ的なのやめたいっ……


ということで俺はまた幼馴染と祭りの屋台を回っている。

射的をして、金魚すくいをして、綿あめを食べる。


今回で何回目だ??


同じセリフに知った結末。

あと少し。

もう少しでクライマックスに突入できる。

今回もまた終わる。


でも、この熱はきっと何回も繰り返されるのだろう。



『――きっと、明日にはこの沸騰するような思いは消えてしまっているのかもしれない。

「ねえ、もうすぐ花火の時間だよ!!」

そんな風に君はキラキラと目を輝かせて俺に言う。

「だな」

「だな、ってなに〜!!ほら、去年花火観たとこ行こう?早くしないと始まる〜!!」


ドーン!!!

パチパチパチパチ……


「あ、始まったな。」

「あーもう!しょうがない!なら、ここで観よ!!」

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