いっそ波に攫われてしまいたい

初恋の女の子に気持ちを言い出せないままずるずると引きずって数年。
年頃にもなれば色恋のことをぼんやり考えたりする。
スイが恋に目覚めるのはごく普通のことだろう。若菜がスイを許せなかったのも、スイを許せない自分を一番許せなかったのも、なるべくしてそうなったのだろう。
誰も悪くない。それなのに読後こんなに胸が痛むのは、きっと彼女たちが幸せに笑い合う姿を見たいと心が言っているからだ。

続きが気になる作品だった。若菜がいつか、自分の気持ちに整理をつけて前を向けますように。