【少し怖い話】心霊写真

とろり。

1話完結 誰かが写ってる



「小学校の卒業式の1週間くらい前だったかなあ、クラスのみんなで集合写真を撮ったんですよ」


「みんな制服でしっかりとした身支度で」


「先生もきまってましたね」


「その集合写真が卒業式当日に私たちに配られたんです」


「ただ、しばらくして、一人の女子が言ったんです」


――これ、誰


「するとクラスがざわざわとざわめき始めたんです」


――心霊写真だ!


「だんだんとクラスが嫌な雰囲気になっていきました」


「卒業式当日なので余計に……」


「誰もその子を知らないんです」


「私も当然知りません」


「担任の先生に聞いても知らないと言うんです」


「でも隅の方に薄く写っていました」


「みんなが怖がりだしたので先生はもう一度撮り直すことを提案しました」


「クラスのみんなは納得し、もう一度撮り直しになりました」


「撮り直しの写真なんですが、その子は消えていました」


「光の屈折やら何やらと担任の先生は説明するのですが、いまいち腑に落ちませんでした」







「たまたま、学校の正門前に花を手向たむける女性を見かけて声を掛けたんです」


「女性は数年前、この学校で子供を亡くしていました」


「体育の時間での事故らしく、それで、花を手向けに来たそうです」


「亡くなった子供の名前はと言うらしいです」


「もしかして女性の亡くなった子供が写っているのかと、その時は勝手に思ってしまいました……」


「結局何も分からないまま、大人になってしまいましたが」


「小学校の同窓会に出席した際、謎が判明したんです」


「三組の男子がふざけて写り込んだ、と」


「なーんだ、と思ったんですが、その三組のという男子、……」



おわり



//////

2024年8月18日

少し修正しました



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