【少し怖い話】消えたコンビニ

とろり。

1話完結 消えたコンビニ



「あれは確か10年くらい前の話かなあ。車で、ちょっと遠出をしてたんですよ」


「それで、少し眠気に襲われたからコンビニを探してたんです」


「この地域は一回来たことがあってコンビニの場所も把握してたんですよ」


「でね、いざそのコンビニの場所に着いたんですけどね、無いんですよ。何も」


「更地になってて」


「で、おじいちゃんが向こうから歩いて来たから聞いたんですね、ここにコンビニありましたよねって」


「でも無いの一点張りで、○○店ですよ○○店って言っても知らん、と」


「自分の頭に頼るのは諦めてカーナビで探すことにしたんです」


「するとね、やっぱり載ってるんですね、この場所にコンビニが」


「何でだろうって感じでね」


「かろうじて電波の繋がる田舎なんですけど、仕方なしにケータイで調べました」


「で、○○店はございませんってページが出るんですよ」


「さらに調べると〝閉店〟のページが出たんですね」


「閉店で更地にしたんだなって納得したんです、まあ、当然と言えば当然ですよね」


「でもあるんですね、カーナビには」


「載ってるんですよ、コンビニの情報が」


「でも、結局そこは更地なわけですから、長居は無用ですよね」


「車を走らせて一つ先のコンビニを目指したんですね」


「ようやく腹も満たせたんです」


「ついでに聞いたんですよ。向こうにコンビニありませんでしたかって」


「無いと言い張るんですね」


「私の思い違いかなあ、なんて思い直して帰りました」


「でもまだカーナビにはコンビニのマークが付いていました」



おわり



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【少し怖い話】消えたコンビニ とろり。 @towanosakura

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