2章 新地祭

第1話 新たな仲間


 国の復旧作業が着実に進んでいく中、俺たちの学園生活も再開した。


 クラスの中には、国のことを心配している人や今後のことを心配している人など大勢がいた。


 そして、俺が椅子に座ると、クラスメイト達が俺の方を一斉に向いてきた。


(え?)


 呆然としてしまう俺の前に、アリスとエミが手を振りながらこちらへやってくる。


「「おはよ~」」

「おはよう」


(いつ見ても可愛いなぁ)


 二人のことを見つめていると、視線を逸らされる。


(まずい。二人のことを見すぎたか……)


 自身の行動に後悔をしつつも、二人と一緒に話していると、クラスの中に担任が入ってくる。


「みんなおはよう」


 担任の言葉に続くように俺たちも挨拶をする。 


「これからの事なんだが、魔剣大祭は延期となった」


 その言葉を聞いた瞬間、ホッとした表情をしたものもいれば、驚きを隠しきれていないものもいた。


「それでだが、今回は魔剣大祭の前に新地祭を行う」


 すると、一人の男子生徒が言った。


「新地祭って、俺達には少し荷が重すぎませんか?」

「そうだな。だから今回は難易度を調整している」


 担任が今回の新地祭の内容を話し始めた。


 俺たち全員は内容を聞いて、絶句するものもいればホッとしているものもいた。


(なるほどね)


 毎年の新地祭なら、新しい場所を見つければ達成だが、今回は新たな場所を見つけなくてもよい。ここ数年以内に見つけた場所にたどり着ければ達成になる。


「そういうことで、四人のパーティを組んで望んでくれ。以上だ」


 そういって、担任はこの場を後にした。


 早速、俺とアリス、エミはパーティを組むことが決まっていることより、作戦を練り始める。


「未開拓地ってどこにあるんだろうね?」

「う~ん、探せばたくさんあると思うよ」


 エルフ国の南西に魔海陸、魔大陸など地図には記されていない場所はたくさんある。


「まあ今はそれよりも新しい仲間を見つけなくちゃじゃない?」


 俺の言葉に対して、二人は頷いた。


 俺たちがあたりを見回すと、視線を逸らすものもいれば、話しかけられるのを待ち望んでいるものもいた。


(はっきり言って、だれでもいいわけではないからなぁ)


 俺たち三人はクラスを後にして、学園内を歩きだす。


(そう簡単に見つからないよな……)


 呆然としながらあたりを見回していると、ある人物と視線が合う。


「あ‼」


 俺の言葉にアリスとエミは驚いた表情でこちらを見てくる。


「「どうしたの?」」

「いたわ」

「え?」


 首をかしげている二人と共に、俺は目の前にいる男子生徒に話しかける。


「初めまして、リーガさん」


 リーガ・ドロイ。伯爵家でありながら、国最強の騎士一族である人物。そして、ゲーム世界で唯一アリスを助けた存在でもあった。


――――――――――――――――――――――――――――――


 読んでいただき、誠にありがとうございました。

 二章開始です。


 ・フォロー

 ・『☆で称える』の+ボタンを三回押して評価

 

 上記の方法で応援をしていただけますと幸いです。作品更新の励みになります。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【一章完結】推しキャラの悪役令嬢を惨殺するゴミキャラに転生してしまったので、二度目の世界では幸せに導こうと思います~ あれ? なぜか英雄って言われるようになっているけど、なんで? 煙雨 @dai-612

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ