祖父の愛が恐怖とシンクロし、陽炎に消えていく、涙に暮れる帰省物語。

おじいちゃんとは身内ながらも縁遠く寂しい存在です。

この作品は、実家への帰省を舞台に、無駄な言葉を出来る限り省いています。家族の絆と恐怖の心理を巧みに切り取った、心が揺さぶられる物語ですね。

主人公の瑞穂が、祖父に対する漠然とした恐怖と向き合いながら、最後には彼の愛情と執着を理解する過程に感銘を受けます。

特に、祖父の死後も続く瑞穂への執着が、物語に不気味さと深みを加えています。もしかすると、祖父は主人公をこよなく愛していたのかもしれません。

おじいちゃんの亡骸が空蝉に重なり、郷愁を誘うホラー話をありがとうございました。

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