純文学のお手本みたいな

 コンテスト受賞作品です。
 先に選評をチラッと見てしまい、どんな感じの作品なのか知った上で読んだつもりでしたが……。
 読み終わってびっくりしました。思っていたのとかなり違う! しかも良い意味で!

 でも改めて選評を読み直してみると、全部そこに書かれている通りなのですよね。まさに「うん、うん」と頷きたくなるような話ばかりの選評でした。
 特に「……などの行動だけでその淡い恋が表現されている」というところ。

 何気ない行動や仕草だけ記述して、その時々の想いは直接表現せずとも読者に伝える、という書き方が素晴らしい。自分には真似できない方向性だけれど自分もいつかこんな作品を書きたい、そんな気持ちになるような、素敵な純文学でした。