第8話 好きになったらいい
僕は自分が嫌いだ
僕は他人が嫌いだ
いつも自分にいら立っていて
他人のお礼さえ受け入れられなくて
ほめられたって恥ずかしく思ってしまう
美しいものも楽しいことも煩わしいって
この世界すべてに違和感が満ちている
誰かを見下してヘラヘラと笑うか
失敗を見つけて仕方ねえ奴って思うこと
僕が音頭をとっているって思うこと
苛立っていることを忘れていられる
僕にも意味があるって思う
それも瞬間ですぐに虚無が背中に
失敗をしたときは最悪だ
僕は無能でどうしようもない
僕は消えた方がいいって
言葉のつぶてを自分に投げてしまう
僕はどうしてこうなんだろう
僕はいつからこうなんだろう
いつか僕はわかったんだ
商店街で子供が傘を投げて遊んでいて
幼稚な遊びを僕は軽蔑する
でも子供たちは心の底から笑っていた
なんでこんなに楽しく笑うんだろう
何がこんなに可笑しいんだろう
僕は笑えない笑ったふりをするだけだ
受け入れられないからふりをする
何かが僕を押さえつけているんだ
スピーカーから昔流行った歌が流れてきた
たとえ自分が嫌いだって
自分を苦しめるな
風に吹かれて笑え
自分を許してやれ
自分を受け入れて
自分の肩を抱いてやれって
感じてただ受け入れるだけ
陽はまた昇る、日また暮れる
向日葵の花のてっぺんから空へ飛んで行ける
詩海 かやまりょうた @kayama82212
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。詩海の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます