第7話 美しき人

世の中には不条理と醜さがあふれ


醜い虫や獣の運動会が行われ


戦が起こって血が流れ屍をさらす


地が揺れ築いた物を打ち壊し


雨風が降って全てを押し流す


皮相で悲惨な現実は世界にあふれている


僕らは無力で路傍に座り込んでいる


だから心の中で美しき人を僕らは求めている


もし美しき人がいて道を示してくれるなら


そんな人がいたら僕らは救われるのではないか


美しき人は心に楽を持っている


美しき人は心に優を持っている


美しき人は心に怒りと哀しみを持っている


そんな人は容姿や弁舌に優れているのではなく


年寄りでも、子どもでも若者でもなく


男でも女でもないし、そのどちらでもない


美しき人は隣にいるかもしれない


感性を海の向こうに飛ばせ


目を凝らして水底の砂粒を見よ


打ちひしがれた人の肩を抱いて励ませ


美しき人はいる君の隣にいる


美しき人はじつは君の心の中居るのかも


それを君が信じることができるのなら


それを君が感じられるのなら


君こそ美しき人になってほしい


一人でも多くの人がそれを信じてほしい

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