サメ売りのJKロイド

Li'l Hatter

イキのいいサメは如何ぁ〜?

きんみらい、きんみらい。とある大阪ミナミのグリ下で、『サメを売るJKロイド』がいました。


「うぇーい! そこの外国人兄ちゃん! イキがいいサメは如何ぁ〜?」


と呼びかけますが、外国人男性はそれをスルーして通り過ぎて行きました。


「はぁ……これ(サメ)全然売れないじゃ〜ん。鬼ダルゲタン……」


サメ売りのJKロイドは早く家に帰って韓国ドラマを見たい気持ちでいっぱいです。しかし、サメが売れなければ、彼女の生みの親である『ギャルバトロス博士』にこっぴどく叱られるので、仕方なくシノギを続けました。


「らーしぃ! らーしぃ! イキのいいサメは如何ぁ〜?」


街ゆく移民外国人やアンドロイドに呼びかけ続けるも誰1人足を止めることはありませんでした。そしてとうとう痺れを切らしたのか、JKロイドは堪忍袋のなんたらが切れました。


「……ちっ、やーめた! こんな誰も買わねぇ〜もんは、道頓堀の川に投げ捨ててやる!」


そう言ってJKロイドはサメの尻尾を掴んで、64版のマ◯オばりにサメを振り回しながら道頓堀の川めがけて投げ捨てました。


──ドボーン!


すると……


\USA! USA!/

💎🗽🦈

=======


なんと、川の中から『自由の女神像』が現れたのです……(何故っ!?)。


「ちょっ、川からなんか出てきたんですけどぉ!?」

「貴方が投げ落としたのは、『サメ』ですか? それとも『カリナンダイヤモンド』ですか?」


と自由の女神像は問いかけてきます。


※カリナンダイヤモンドとは? 世界最大のダイヤモンドと呼ばれており、その価値はなななんと、約"2000億円"になるといわれている。


「ホワァァァァァイィィ?!?! それ史上最大のダイヤモンド原石と呼ばれてるやつじゃん!?!? はいはい!! それ、あーしが落としたやつです!!!」


ダイヤモンドの誘惑に勝てなかったJKロイドは、正直に答えることもなくカリナンに指をさそうとします……が、


🥺


サメは選んで欲しそうにこちらをじぃーーっと見つめてきます。


「あ"ぁ"ぁ"あ"ぁ"ーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!!!!!!!!!!! そんな目であーしを見つめないでぇ!!! 罪悪感が芽生えるしぃぃぃ〜〜!!!!!」


両手で顔を隠しながら悶え苦しむJKロイドは、ふとコイツ(サメ)と過ごしてきた過去の思い出が脳裏に浮かびました。


(※回想シーン)


🦈〈ねぇねぇ、JKっち、ピザって10回言って見て?


「えっ? ピザピザピザピザピザピザピザピザピザピザ……」


🦈〈じゃあここは〜?


「え〜とぉ……腕ヒレぇ?」


🦈〈ざんね〜ん、正解は胸びれでした〜♪


「ッハッハww なぁにそれぇぇwww 草通り越してユグドラシルが生えるんですけどぉwwwwwww」


「「ギャハハハハ wwwwwwwwwwww」」


ーーーーーーーー

ーーーーー

ーーー

ーー


「ははっ……胸びれってなんだよぉ、ちくしょぉぉ……」


声を震わせながら呟く彼女はふと、目から大粒の涙……ではなく、サラダ油がポタポタと流れました(アンドロイドだからね、仕方ないね)。


「あの〜、そろそろどっちか選んでくれませんかね? 私、この後ムルデシュワラのシヴァ像さんと会談しなくちゃいけませんので……」


そう口にした自由の女神像は、左手首に装着したスマートウォッチをチラチラと確認し始めました。

それを聞いたJKロイドは、慌てた様子で正座をして座り、手のひらを地面に\ドンッ!/と付けて土下座をしました。そして大きな声で……


「女神っちごめん!! あーし、 嘘ついてました!! 本当は……サメを川に投げ捨てました!!」


と正直に答えました。すると自由の女神像は、


「WAO!! 正直に答えてえんらいっ! 褒美にコレ全部差し上げちゃいます!」


彼女の勇気ある謝罪に感心した自由の女神像は、カリナンとサメをJKロイドに与えました。そして辺りを見渡した後に「I'll be back……!」と発してから親指を立てながら道頓堀の川に沈んでいきました。


「ぴえ〜ん JKっちぃ〜、あたしを選んでくれてありがトム〜!」

「はぁ? 勘違いすんじゃねぇーし! てか、あーしの身体にひっつくな! サメ肌が太ももに当たってザラザラすんじゃい!!」


こうしてJKロイドとサメは仲良く質屋に行ってカリナンダイヤモンドを売却して大金を得たとさ。


「うぇーい! 大金も手にしたことだしぃ〜、今から生野コリアンタウンでコスメとK-POPグッズ買いにいくぞぉ〜!」

「サメまる水産〜♪」


おしまい♨️

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