遠いのに手を伸ばしてしまいたくなる物語

このサイトを訪れたくなる人間ならば、確かに星と言っても色々ありまして、と始めたくなる事請け合いですが、その辺りは本文をご覧頂き、主人公と共にヤマちゃんの言葉へ翻弄されて下さい。

高いところへ登って天体望遠鏡を立て覗いた夜の闇に、ヤマちゃんは覗き返されたかったのでしょうか? いえ、きっと彼女はもう、登って来てくれる、例えば自らの存在が消えても、失われた筈の場所へ刻んでくれる相手の事を知っていたはず。まるで既に滅んだ星の光が、何億光年の距離を走り地球へ降り注ぐように。

寄る辺ないような青春を送った元文学少年少女の心をぐうっと掴んで引き寄せるような、素敵なお話でした。