第112話 炎魔アルマゲスト(前編)
「ん……」
体の
横を見ると、イリスも同じように目を覚ましかけているようだった。
その横顔は
「ミュウちゃん! イリスも、やっと
シャルの声が
キィン、という
シャルは
「すまぬな、シャル。心配をかけた」
イリスがゆっくりと体を起こす。その動きには、まだ少し力が入っていないように見える。
「いいのいいの! それより、イリスの
シャルの質問に、イリスは少し目を
その表情には、いまだ
「ああ。父上の
「クロムウェルの居城――というより、
イリスは立ち上がり、
まるで生きているかのように脈打つ
……すると、
「『終末の
その周りには、まるで生きているかのように
「ここまでの道のりは――」
その時、
その光の
その
カラカラと転がる音が
「な、なに!?」
シャルが
いくつもの声が重なり合い、その声は
「外の
イリスが顔をしかめる。
「様子を見てみよっか」
シャルが
一歩ごとに、
その直後、シャルは入り口で立ち止まった。
「う、うーわ……」
その動きは不自然で、糸で
その体から
蒸気は生き物のように
「この蒸気、この熱は……! アルマゲストの仕業か!」
「アルマゲスト? 四天王の?」
その
その目は、まるで血に染まったルビーのように
その目には、もはや理性の
「クソがぁぁぁ! クソクソのクソが!」
「みんなみんな死ねばいいのにいいのにいいのにいいのに!」
「
その声には、これまでと
声に
「完全に正気を失っているな。フン……ちょうどいい。我も少々
イリスの
「では――
イリスの声が
まるで時間そのものが止まったかのように、世界が静止する。
青かった光が、まるで血に染まるように変化していった。
そこから
まるで深海から
まるで複数の声が重なり合ったような、不協和音めいた歌声。
低く
それは
理解できない言葉が、
それは古代の言葉なのか、それとも
「うっ……!」
思わず耳を
その赤く光る目が、
(これまでとは
歌声が
骨が
その光の波が、
そして――
「――ッ!」
イリスの声が一気に高まった
その波動は目に見える形で空気を
目の前の
その光は
「グアアアアアア!」
「イヤッイヤアアアア!」
その声には、人間のような
まるでガラスが
赤い
「す、すご……」
シャルが絶句する。
これが本来の
歌声は
「ふぅ……」
イリスがため息をつく。その表情には、まだ
銀色の
「イリス、
シャルが
その
(辺りの
イリスの歌声は、確かにこの一帯の
残されたのは赤く光を放つ
そして……熱帯夜のような不気味な暑さだ。
その暑さは、まるで
「クッ……策が外れたか」
低い声が、どこからともなく
まるで
その過程で、
全身を
胸部や
「四天王の……
イリスが冷たい声で告げる。その声には、明らかな敵意が
周囲の
「フン……先代
アルマゲストの声には、明らかな
その体から
「貴様の『
イリスの
その
「下等だと!? クロムウェル様から
「ちょっとー! 暑すぎなんだけど!」
シャルが
しかし、アルマゲストは
「
「してないけど!?」
「いいやしたッ! おそらくなァ!」
コ……コミュ強のシャルがマトモに会話ができていない。人間語わかってないのかな……。
しかし、その
暑さで目がチカチカする中、
(なんか……わざとらしい?)
アルマゲストの
しかし、それは何か別の意図を
その目には、計算するような冷たさが宿っていた。
「さてイリス様。ここまでのあなたの行動、たくさん
(「たくさん」て何)
それは役者が
「何?」
「『
おかげで、貴様の力が
アルマゲストの声が再び燃え上がる。何なのこの人……
「な……」
イリスの表情が
リリアンを
その事実を
「この程度の力ではクロムウェル様には
振り向き、背を向けたアルマゲストの
その
「――いいややっぱり!
「!?」
アルマゲストの体が再び
周囲の温度が急激に増加する。
「
「……まぁよい。ヤツのペースに飲まれるな。かかってくるなら、殺してやるだけだ!」
イリスが
コミュ障すぎて会話するだけでMPが尽きる最強ヒーラー〜追放されたけど、うるさい陽キャ剣士と組んで旅に出ます〜 玄野久三郎 @kurono936
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