第6話 エピローグ
夏休みも後半、ウチの食堂は飛び切り賑わっていた。それもそのはず。
「いらっしゃいませー!!」
「いらっしゃいませなのじゃ!!」
今、ウチでは二人の樹さんが双子という設定で、看板娘として働いてくれている。本物の樹さんの親父さんが言うには、この方が安全で、何かと都合がいいらしい。…さっぱりわからん。何でだ?
(もー…お父さんたら…。拓真君のことが好きだってバレたら、どうするのよ。恋愛相談なんかするんじゃなかった…。嬉しくてにやけちゃうのは隠さなきゃ…!!)
二人の美人看板娘はたちまち人気となり、マスコミも取り上げるほど。あと自分では気づかなかったが、ウチの食堂は料理の味も評判らしい。そうだったのか…。素直に嬉しい。
そして偽樹さんは、とにかく地球の食事を気に入り、地球に溶け込んでいった。偽樹さんはおっかないけど、悪いヤツではないよう…。んー…。まだわからんな。
そうだ。偽樹さんじゃ呼びづらいから、何か名前考えてやらないとな。どうしようか。その後、宇宙大戦争やら、隕石群到来など、とんでもないこともあったのだが、なんとか無事にやっている。
やがて、地球には数万というエイリアンが住み着くのだが、これも時代の波と言ったところか。
そうそう。この年のお盆は、二人の樹さんを連れて、両親の墓参りに行ったのだが、この二人を、父さんと母さんは家族と認めてくれたかな。
この夏ほど、思い出深い夏は無い。ヒグラシの鳴き声が心地いい夏は、とんと暮れていく。
こうして、この高二の夏が人生で一番、アツい夏となった。
正しい地球の侵略の仕方 はた @HAtA99
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