ターゲット
トモヒコから電話がかかってきたのは1時間ほど前のことだ。
「ハルキ、今からあそこのファミレス来れるか?」
時刻は夜8時。正直少しかったるかったが、何だか深刻そうな声だったので行くと答えた。
彼とは昼間にもあったばかりだったが、その時は特におかしな様子はなかった。何かあったのだろうか。
ファミレスに着くとすでにトモヒコは席についていて、ご丁寧にドリンクバーも注文済みだった。彼の向かいの席に、汗をかいたメロンソーダのコップが置かれている。
「ちょっと、これ見てくれるか?」
俺が席に座るのも待たず、トモヒコは自分のスマホをグイッと手渡してきた。嫌な予感を覚えつつも、俺は恐る恐るヒビだらけのディスプレイを覗き込んだ。
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takuya9563 1日前
部分ぶ文武!ふ吹雪ふ訃/さし指示ん☆ううんう、らろ婁れ利。くこ子ろ
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takuya9563 1日前
御お大婁婁。いいい…か後ほ鹵↑似に日歯─偶ひ依屡。さ蘇せ∩わ由おま柄?僂か禍
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takuya9563 1日前
歳剃は羽斑〜あ業銅と桶*めめ無鵜う、なさまか「技許ょ屋ゎ!諸ょ゙猛ここ。け激んを螺┌纏わ琉ぅ火◯え魅■亙亙、図ゅ岨へ
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takuya9563 1日前
鵬箭あ旡零¥ぉ売鵞ね医∧うっ唐伊ん⊿しししし◆しを永ん画。ええ獲ね。寸權ぱゎ!鱒ぁ沮す?お魔を、ねねね。瑪ら痲しぇ≧とと無づ倭〜ほほ藺ゑ
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そこには案の定『takuya9563』がSNSに書き込んだコメントのスクリーンショットが表示されていた。投稿日が『1日前』となっているが、最新のコメントなのだろうか。
しかし、これが何だというのか。この『暗号』については解読済みだし、もう関わるべきでないと暗黙の了解になっていると思っていたのだが。
「これがどうしたんだ?」
「よく見てくれよ」
「いや、見たよ。それで、これが何だってんだよ」
「違うんだよ」
「違うって何が?」
「ちょっと待って……これが前のやつな」
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takuya9563 3週間
は肩たた魔」眼む無無☆たた他て手$なは派へ$子個娘こ、ま魔らら等?しし差ん和。矢わ屋ゅ血!斗と戸ぶぷ?麻麻「じゅ字ゅ字◯てん天て?点点ぼし☆和あ和ぁ、さ具ん、ははは↑寝ん体ぢ
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takuya9563 3週間
へ減へぃ苦>友ぷ露枝△ここ児に爪」ねね根ね
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takuya9563 3週間
ちち血む無「よよ笑だ
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takuya9563 3週間
は派はは巴、葉は刃齒。日陽非ひ!ん戸とと度、しま里り路。火が後ご似」氏へ夢ゆめ、喜木。ねえ姉さ化☆びゅ盧ろ
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takuya9563 3週間
また夜に寝♡また夜に
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「それで、今回のがこれ」
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takuya9563 1日前
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takuya9563 1日前
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takuya9563 1日前
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takuya9563 1日前
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「……?」
「だからさあ、前のやつは冒頭が『-・--・』だったんだけど、新しく見つけたやつは『・・-・・』なんだよ」
「あー、たしかに」確かに、言われてみればその通りだ。「ってことは、違う文章ってことか」
「そうなんだよ。いや、ぼーっとスマホいじってたら、偶然この新しいコメント見つけちゃってさ……」
「で? 解読はしたんだろ?」
「ああ……だからお前を呼んだんだよ……」
そう言ってトモヒコは何かがプリントアウトされた紙を1枚鞄から取り出した。
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takuya9563 1日前
部分ぶ文武!ふ吹雪ふ訃/さし指示ん☆ううんう、らろ婁れ利。くこ子ろ
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と も ひ こ し ね
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takuya9563 1日前
御お大婁婁。いいい…か後ほ鹵↑似に日歯─偶ひ依屡。さ蘇せ∩わ由おま柄?僂か禍
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お れ に か か わ る な
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takuya9563 1日前
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と も ひ こ み て る ん だ ろ
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takuya9563 1日前
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と も ひ こ し ね の ろ わ れ て し ね
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「……え? これ、ヤバくない?」
「だろ?」
トモヒコはため息混じりに天を仰いだ。
「お前、呪いかけられてんじゃん」
「そうなんだよ」
「いや、そうなんだよって……何かしたのか?」
「うーん……まあ……」
煮え切らない様子で、トモヒコはストローでグラスの中の氷をかき混ぜている。
「何か、っていうかさ……いや、昨日……ぼーっとSNS見てたら『takuya9563』のコメントがついた広告が出てきてさ。何気なくコメ欄開いたんよ」
「それで?」
「それで……いや、別に、前に見たやつだったからさ、すぐ閉じたんだけど……」
「何だよ、早く言えよ」
流石にイライラしてきて、思わず口調が荒くなる。
「……いや、その時は気づかなかったんだけど、どうやら閉じる時に間違えてコメントにイイねしちゃったみたいでさ」
「ああ」
なるほど。コメントにイイねをされると、どのアカウントからイイねされたのか通知が来る。それでトモヒコのアカウントが『タクヤ』に認知されたのか。スクショを見返すと、先程見せられた新しいコメントは『takuya9563』の元のコメントに返信する形で書き込まれているようだった。
「だからお前、アカウント名に本名入れるのやめとけって」
「いやー、まさかさ、こんなことになるとか思わないじゃん、だって」
「それで、どうなの?」
「え? 何が?」
「呪い。何か感じてる」
「いや、別に」
「じゃあ気にしなきゃ良いんじゃん?」
「ええ……でもさ……」
「気にしたら思う壺じゃん? そもそも俺、呪いとか信じてないし。トモヒコは信じてるの? 呪いがある、って」
俺の問に、トモヒコは目を閉じて「うーん」と考え込んだ。その顔を見ながら、少しぬるくなったメロンソーダを飲み干した。
「信じて、は、いないかな。ただほら、気分悪いじゃん」
「まあ、そりゃそうだろうなあ」
「気にしなきゃ良いってのはわかるけど……いやー、実際難しいなあ。モヤるわあ」
「あ、じゃあさ。呪い返しすれば良くない?」
「え?」
「イッパツ呪われたんだから、イッパツ呪い返せば相殺出来んじゃない?」
「あー、なるほど」
ちょっとした思い付きだったが、トモヒコは予想外に納得してくれた。何でも言ってみるもんだ。
こうして俺達は『takuya9563』へ、こっそり呪い返しをすることにしたのだった。
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