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20■■年5月20日


窓に うつる月 は幻想 現実は消え 酩酊の底 それは夜 暗い砂上で 主人が帰れ る時を待っ て魚は開口 ああ 淡々と果て 喘鳴の虜 もう散々 だ嗤う童 独り言 夜光虫 が光る舞


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20■■年5月21日


夢は いつも嘘 の揺籠 幻燈の中の 疾走る影 まわる恋 踊る二人は 永遠の時へ と生き急い で少し発狂 して 回転を速め 血管の中 また流々 と痛む傷 足の爪 悲歌劇 は幕の裏


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20■■年5月22日


空へ いつか又 と切望 喧伝す夢に 花束の蜜 そんな夜 肌は干乾び 草臥た頬か ら涙の痕へ と飛ぶ木兎 ほら 早々に消え 葬送の贄 ほら残念 な君の死 悼む人 断罪人 の歩く道


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20■■年5月23日


舌の ピアス穴 に唾液 銀色の棘と 赤色の歌 いつか私 元の少女に 帰還る日ま で募る願い を呟き輾転 する 希望は遠く 絶望は隣 ねえ因果 を巡る夢 嘆く声 観覧車 が軋む夜


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20■■年5月24日


雨を なぞる指 は流星 硝子の上に 放物の線 ゆがむ顔 私は此処で 過去を想っ て独り沈ん だ時を蒐集 ねえ 本当に君は 素敵な人 ほら鏡像 は紅い唇 雲の象 信仰心 を試す声


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20■■年5月25日


心に きざめ哀 の一撃 欺瞞の徒よ 響宴の果 てへと落 下し崩壊を 絶望の中に て知る日そ の時を怯懦 せよ 我等を其の 瞬間を求 めて祈願 す光の子 水の民 伽藍堂 の中の石


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20■■年5月26日


遠く うかぶ雲 の影絵 傷心の私に 薔薇の花 あかい色 空は夕焼け 合唱す蜩に は声が届か ず私は苦笑 する 日記の隅に 意味を為 さぬ渦巻 が暗い心 象の鏡 入道雲 に喘ぐ声


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20■■年5月27日


夜は いつも痛 い温度 憐憫が肌を 焼滅す迄 どんな色 映す水鏡の 自分の顔が ね厭で厭で さ故に沈殿 して 曖昧な鬱は 香炉の塵 また明日 と誰に手 振る人 間不信 の僕と僕


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20■■年5月28日


常に いやな想 い出達 脳裏を犯し 普通の顔 してさ本 当に最低だ 人間の屑だ よ僕も君も ね今や興醒 めだ 人生は暗い 泥濘の底 から見上 げ知る不 幸の味 最小限 の塩と蜜

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