第3夜
なんでまた、この暗い廊下にいるのだろうか。
そしてまた同じように、僕は花菜の部屋に向かう。
その後もテンプレのように昨日や一昨日と同じ動きをする。
そしてまた、違うのはひとつだけ。
今回は、目から血を流した。
それもまた、微笑みながら。
目が覚めると、僕は何も考えずに花菜の部屋へ急いだ。
やっぱり花菜は、笑顔で目から血を流す。
お祓いは効いていなかった。
あと残りの原因となるものは、あの日本人形と花菜のお気に入りの着物。
僕は家族に日本人形と着物の話をした。
すると、祖母が話し始めた。
「あの日本人形と着物は、本当は貴方たちのお姉ちゃんのものでね。私が縫った着物なのよ。でも、お姉ちゃんは貴方が1歳になる少し前に、病気で3歳で亡くなってしまったの。あの着物は花菜くらいの年齢になったら着せようと思ってたの。お姉ちゃんもあの着物を気に入って早く着たいってずっと言ってたわ。あの日本人形もお姉ちゃんのお気に入りだった。それなのに私、せっかく作ったのに勿体ないと思って花菜にあげてしまったの。きっとお姉ちゃんが、それを怒ってるんじゃないかしら。」
それから日本人形と着物のお焚き上げをした。
これできっと、あの悪夢は終わるだろう。
今日は安心して眠りにつける。
翌日。
僕は悪夢を見ることはなかった。
だが、3日間とは比にならないほど騒がしい。
声は花菜の部屋からだった。
僕は急いで花菜の部屋に向かった。
花菜は真っ黒に焼け焦げ、息はしていなかった。
そして焼け死んだ花菜の手には、綺麗な状態で微笑む日本人形が握られていた。
人形の夢と目覚め u03u @strange_01
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