【まさしく彼女は旅人であった】独特な語りの異世界ファンタジー!

 タグにもある通り、オムニバス形式で語られる本作。物語全体を通しての主人公であるテオの扱いが独特で、各エピソードの主人公たちの物語に現れては影響を与えて去っていく、作中で語られる通り旅人の彼女。

 そんな彼女の旅には善悪問わず様々な人との出会いがあり、一つ一つのエピソードの主人公たちの物語が繰り広げられる中、徐々に彼女についての人となりや目的が明かされていきます。

 また、それぞれのエピソードも満足感の高いもので、読んでいて面白かったです。個人的には三番目のエピソードの発明家さんが好きだったり……。

 そして、そんなテオの隣にいる少女ウミ。彼女は一体何者なのかも気になるところです。描写から察するに恐らくは……。

 そんな人との繋がりを描きながら、謎を追っていく本作。満足度の高い一作です。それと、各エピソード始めのインタビューのシーン、聞き手は一体何者なのでしょうか? うーむ、謎は深まるばかり。タイトルの意味が明かされるのも楽しみですし……。

 という訳で、皆さんもぜひご一読してみてはいかがでしょうか?