公園
うんこ公園
正式名称は今でも分かりません。私たちはずっとそこを「うんこ公園」と呼んでました。
今を思えば、その土地の管理者が何もしなかったんだと思います。草も茫々で、テニスコート程度の広さの公園の奥にブランコがたったの一組だけ。
犬の散歩か何かを近くに住む誰かがやっていて、その処理をすることもなくペットのトイレのように利用していたんだと思う。なので、そこら中に犬の糞だらけで誰もそこで遊んだりはしませんでした。
ただ
みんな、そこで遊ばない理由は他にあるのです。
勿論、うんこもそうですし遊び道具がブランコしかないってのも要因ではありますが、一番の理由は『でる』から。
公園に隣接しているのは何らかの工場と、反対側は多くの廃材が置かれてた、如何にも怪しいエリアの中央にその公園はありました。
そのブランコが、誰も居ないのに
キィ・・・キィ・・・・・・
赤い服の女の子が・・・・・・
なんて、噂だけはありましたが、それはきっとどこかの女子が言い出したオカルトもどきだと思います。
なぜならば・・・・・・
私の友人の一人がその公園を通りすぎた先に家があり、よくゲームをしに遊びに行っていました。たまに夜遅くまで遊ぶこともあり、夜な夜なその公園を横切る際には、必ず中を見ない様に通っていたことを今でも思い出します。
ある日、ある夜。
その友人の家に私は自宅の鍵を忘れてきてしまいました。仕方がなくまた来た道を引き返し、友人に鍵を見つけてもらって再度、帰宅しようとしたその時、前方から車がハイビームでやってきて私は公園側へ避けて車をやり過ごそうとしました。そこで嫌でも公園の中へと視線が向き、私の後方を低速で通り過ぎようとした車のヘッドライトが映した先、公園の端っこには男性が三人、なにもせずに佇んでいたのです。
それ以来、私はその友人の家に行く際にはわざわざ遠回りをして行き来するようにし、友人にもこの話をしました。友人は
「・・・ああ」
としか言わず、正体も分からず友人ともこの話は一切しませんでした。その理由も、分かりません。
完
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます