家出しようと思う

何を探しに行こう？

さあさ　お外に出かけましょう

エアコンの効いた部屋で　ぬくぬくしてちゃあ

キリないね

乾いたお部屋の空気に当てられてたから

こんなに沈んだんだわ、そうよそうよ

どうしてこんなに寂しいの？

本棚には沢山の本

机にはパソコンもあって

クローゼットにはまあまあ服も入ってる

冷蔵庫には野菜も牛乳も入ってて

ホットミルクもいつでも作れるんだわ！

数分歩けば母なる海

近くには沢山の友達も住んでるじゃないか！

辛いときに授業を切ってまで一緒に居てくれる友達もできた

軽く心配してくれる優しい人にだって恵まれた

これ以上何を欲しているのか分からない

皆ならきっと満足しているんだろうかね

昼間のことを思い出す

僕がジロジロ見ていたって

誰もこちらを見てくれない

対話していたって

どこか物を見るような目つきの人もいた

やっぱり僕は空気なんだろうか

実は何も持っていないんだろうか

ダメだダメだ、外の空気を吸いに行くんだったわ

これ以上動かないと本当にまずいよ

分かってる

分かってるんだけど

身体より頭が働くみたい

どーでもいいこと考えて

迷って悩んで

結局面倒くさいって放り投げるの

分かってる

分かってるって

僕も馬鹿だ

どうしようもなく馬鹿だ

分かってるつもりの大馬鹿ものか？

おうおう　自虐の声が内に響く

さっき死のうなんて口にしたから

この部屋に陰気が溜まってるのかな

見えないものを気にしてるから

存在してるかのように感じるだけでは？なんて

考えて

悩みの原因を取り去りたいんだけど

それすら出来ない無能でした

僕は何をするために外に出るんだろう

気分転換じゃない

転換点に出会うため

格好良い台詞を思いついた

ああ、虚勢とおさらばしたいんだな

素直になるために社会に触れるんだな

僕は自分探しを始めるんだろうな