概要
死んだはずの僕は、気づけば妹の中にいた。
僕には双子の妹がいる。僕はトモで、妹はカヤ。父さんと僕ら三人の暮らしは裕福じゃなかったけど、寂しくはなかった。でも、父さんがいなくなって、僕らは離ればなれに。連絡は取りあっても、会うことのない時間が流れて、もうすぐ中学生。そして不意にカヤが訪ねてきた日、僕の人生は僕のものじゃなくなる。脇見運転で左折してきた車。僕はカヤを引き倒す。車は僕に。「死なないで。トモ。わたしが死なせない」――気づくと僕は僕なのに、カヤだった。
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