路地を歩けば歴史が迎える。古都を旅する夫婦エッセイ

 夫婦二人で京都・奈良の歴史ある古都を巡るのんびり旅行記エッセイです。

 京都・奈良を旅した作者夫婦が、当時の写真を近況ノートへ寄せて、お寺や観光地の歴史を紹介しつつ、そこで遭遇したエピソードを面白おかしく語ってくれています。

 興福寺の五重塔、東大寺の大仏殿、奈良公園のシカなど、定番スポットだけでなく、「ならまち」観光では着物姿のお姉さんに見惚れ、依水園では外国人に混じって苔を眺め、般若寺では500本の紫陽花の庭園を歩き、平城宮跡に展示された遣唐使船の小ささに驚き、ちょっと珍しいところにも目を向けているのがポイントですね。民家の路地裏の先に歴史的名所が隠れている奈良の街の魅力が描かれています。

 奈良だけでも旅気分をたっぷりと味わえますが、これからはじまる京都編も楽しみです。もし古都に旅行にいくとしたら季節は秋がいいとのこと。いまからでも旅行の予約は遅くない。


(「和風&歴史」4選/文=愛咲優詩)