廃城の黙示録
はるりぃ*。+
【序章】 微睡の夢
深く、沈んでいくような夢の中で。
少年は自身の記憶を失っていき、朦朧としだす。
少年は祈り続けた。
「神様、どうかこの国を救って…」
…ふと意識を祈りから戻すと、誰かが自分に向かって何か必死に叫んでいることに気づいた。
「⬛︎⬛︎⬛︎様!反乱軍の⬛︎⬛︎が激しく———」
「貴方様のご⬛︎⬛︎は、皆———」
「⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎が怪我⬛︎⬛︎⬛︎———」
意識が遠のいている少年に、その言葉は届かない。
助けを求める声、指示を仰ぐ声、逃げろと叫ぶ声…
届くことのない声たちが、王城内を反響する。
…遠くから大勢の慌ただしい足音が迫ってきて、幾つもの叫び声が飛んだ。
「⬛︎ルラ様!……方だけでも⬛︎⬛︎げください!ペルラさ———」
声は途中で切り裂かれ、うめき声を上げる。
「僕の負け…それでいいから…」
ペルラ、と呼ばれた少年は、両手を上げる。
「………やめよう、こんなこと———!」
呼びかけ虚しく、反乱軍のうちの一人がペルラに襲いかかる。
「うぁっ…!」
******
…痛みと、死の怖さと、絶望。
恐怖の感情が、ペルラを襲った。
「………」
途端、王城は閉ざされ、地下室は出口のない迷宮となり、反乱軍は散り散りになって暗闇の迷宮を彷徨うこととなった。
「さよならだね、メドゥシャーダ…」
ペルラは深い眠りに落ちた。
反乱軍はとうとう誰一人出られることのないまま死に絶えた。
王城は崩れ、やがて死体も朽ち、誰もいなくなった王城でひとり…
ペルラは再び、目を覚ました。
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