小学校から中学に上がる、そんな繊細な時期に見せた無邪気で無防備で、無垢なる輝きでも、そんな時間は多分一瞬で過ぎ去ってしまうのかもしれない。ずっとこのまま見つめ続けていたいそう思うけれど、多分きっかけがあったら一気に大人になってしまうんだろうな、という漠然とした不安も持ってしまいます。大人になりきる前の、子供でいられるモラトリアムの奇跡のような一瞬を切り取った、夏の風景この二人がずっとこのままでいられることをどこかで、願ってしまいました。
例えば、その夏ヒットした曲のフレーズのように。例えば、その夏見た清涼飲料水のCMのように。この夏、僕はこの言葉に心を撃ち抜かれたのだ。『ハイクロンハリケーンスプラッシュ!!』瓶入りのラムネの様なキャッチコピーの色。成長の狭間の青春の情景。魅力的なヒロイン。それらひとつひとつが、少女の必殺技に凝縮され、生き生きとしたフォームで繰り出される。この言葉に出会ったこの夏を、きっとみんなも忘れないだろう。そして、そんな誰もが叫ばずにはいられないはずだ。さあ、放て!!『ハイクロンハリケーンスプラッシュ!!』
ハイクロンハリケーンスプラッシュ!!思わず叫びたくなるような必殺技。それを元気よく放つ女の子との青春の1ページ成長し、魅力を増す女の子だけど、中身は小学生男子のように必殺技を叫ぶところ、かわいいです。それゆえか、どことなく心配する少年の気持ちも少しわかります。ハイクロン、初めて知りました。読めばわかりますよ。ハイクロンハリケーンスプラッシュ?読めばわかりますよ(?)短編ですし、気になったら読んで見ましょう。中学生の青春の1ページを最後に自分も叫びます。ハイクロンハリケーンスプラああッシュ!!
この作品を読んで(私にはとっくに――涙)失われたみずみずしい青春が懐かしくなりました。子供のままの意識の柏木さんと思春期に入りつつある久住君。2人とも身体は大人になりつつあるのに、意識だけは違う。危ういバランスの上に成り立っているドキドキ感がたまりません。ちなみにハイクロン、今まで知りませんでした。
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