第四の壁を取り除いて分かる、本当の自分。“私”は何を想うのか?

面白い試みですねー。感服致しました。
この小説において、従来通りの意味の地の文は存在しないように感じます。
“地の文の私”という登場人物の一人が語っている、そういう台詞になっているように感じました。
本来は説明的に感じる部分の地の文でさえ、一人のキャラが朗読しているようで引き込まれます。
どの文章においても、「」の中の台詞を読む時の様なある種の緊張感があります。
この地の文において、“私”は何を考えているのか。何を求めているのか。
その生活、その感情、その恋愛……――
物語がこの先どう転がっていくのか、一読者として楽しみにしております。

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