第6話「元カレとやり直すにはどうすればいいですか?」(女性)

 「元カレとやり直したいんですけど、どうすればいいですか?」


 「他に男、いねえの? あんたブスだろう?」


 「失礼な人! ブスじゃないです! そこそこ美人です! 好きだと言ってくれる人はいますが、タイプじゃない人ばかりで」


 「つまり、あんたはモテるんだ。誰に似てるっていわれる?」


 「えーとえーと、桜坂46の、えーと、なんて言ったかしらあの子」


 「あの類ならどこにもいるぞ、俺なんか見分けがつかん、みんな同じに見える」


 「でも、彼のことが忘れられないんです。彼のことばかり考えちゃうんですよ」


 「彼のどこが好きなの?」


 「カッコいいところです」


 「つまり顔がいいわけだ」


 「顔だけじゃありません! 全部です!」


 「チンコもデカいの?」


 「はい、外人並みに大きくて、ガンガン突かれるとすぐにイッちゃいます」


 「悪かったな、小さくて! なんで別れたの?」


 「彼の浮気が原因です」


 「1度浮気した男はまたするよ」


 「1度じゃありません、これで5回目です」


 「1度しただけでも無理なのに、むこうの男は何とも思ってねえんじゃねえの? ただ、やれればそれでいい女じゃねえの?」


 「イケメンが好きなんです! そしてオチンチンも大きい人がいいんです!」


 「世の中はね、需要と供給なんだよ。あんたが好きなら他の女も好きなの、だから無理。諦めなさい」


 「だから相談しているんじゃないですか!」


 「あっ、そうか、そうだった。チンコのデカさに嫉妬していた」


 「それは男の人も同じでしょう? オッパイは大きい方がいいじゃないですか」


 「俺は貧乳の方が好きだけどね、デカパイの女は感度が悪くてさ、貧乳の方が感じやすいから遣り甲斐があるんだよ」


 「私、貧乳なのがコンプレックスだったんです、オッパイが小さくてもいいんですね」


 「まあ、人それぞれだよ。

 そうそう、元カレとの復縁の話だけどね、男なんてさ、星の数ほどいるんだからさ、好きな男より「合う男」を探すべきだと思うよ。

 たとえ撚りが戻ったとしてもだ、時間が経てばお互いに飽きるもんだ。

 髪は白髪になり、シワやシミも増え、お腹もたるんだりポッコリお腹になる。

 女は更年期、男はインポテンツ。自慢のチンコも立たなくなるんだぞ。

 好きだの嫌いだの、惚れたの惚れられたのなんて若い時だけ。結婚して子供が生まれたらそれどころじゃないんだからな。

 夫婦が長続きする秘訣は単純だ、恋愛は「靴選び」だ」


 「靴選び? 履き心地ですか?」


 「そう、いい靴は疲れないし大切に掃けば長持ちする。そして磨けばピカピカに光るもんだ。

 だから安い靴はダメだ。

 1,000円のビジネスシューズと50,000円のリーガルでは全然違うからな。

 あんたは相撲取りの息子の靴を履こうとしているんだよ、やめておきなそんな靴。

 浮気するやつは男も女も病気なの、不治の病」


 「うーん、そんなもんですかねー」


 「周りを見てごらんよ、終わった恋は追いかけちゃダメ。

 絶対に上手くはいかないの。

 どうしてだと思う?」


 「どうしてですか?」


 「恋は盲目だからだ。Love is the Blind. 恋すると相手のいいところばかり見ちゃうからだ。

 冷静さを失う。

 いいじゃないか、チンコなんか普通で!」


 「でもやっぱりアソコは大きい方が・・・」


 「勝手にしろ! 次のひとどうぞ!」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

真夜中の電話相談室 菊池昭仁 @landfall0810

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ