第5話「主人のお母さんが好きになれません、どうしたらいいですか?(女性)
「嫁姑の問題で悩んでいるんですね?」
「はい」
「答えは簡単です、会わなけりゃいいんですよ、会わなければ何も起こらない。
いい嫁、出来た嫁なんて演じる必要はないんです。
仲良くなれないのが嫁と姑なんですから」
「会わないなんて無理です、同居しているので」
「だったら別居すればいい」
「そんな簡単にはいきません、周りから何て言われるか」
「人間の悩みなんてね、殆どがおカネと人間関係です。
気にするから悩むんですよ。
嫁姑の関係に関わらず、イヤなやつとは会わないことです」
「そんなこと言われても・・・」
「うまくやろうなんて土台無理なんですよ。
母親は息子が大好きなんです、だからどんなに良い嫁が来たところで最初から面白くないんです。
ダンナさんの不倫相手と同居しているようなもんなんです。
また、そういう母親の子供だから溺愛されて育っているのでマザコンが多い。
お母さんの肩を持つ傾向が強い。
逆に優しい夫は辛い、奥さんもお母さんも大切にしたいからその板挟みになってしまう。
私の知り合いの精神科医は言いますよ、「同居するならキッチンだけは分けた方がいい」と。
仲が悪いのに同じ台所に立つなんて最悪でしょう?」
「今がその状態です。
この前なんか、私の作った肉じゃがを全部ゴミ箱に捨てられていました」
「かわいそうに、肉じゃがが。
もったいない」
「かわいそうなのは私ですよ!」
「ああ、そうでした、そうでした。
同居してなくてもご主人の実家にはなるべく行きたくない、という奥さんは多いものです。
例えばお盆や正月。
旦那の実家に行くのが嫌、さあどうする?
簡単なことです、行かなきゃいい。
だってお互いに会いたくないんでしょ? 気は遣うし、嫌味は言われるし、遠方なら旅費だってかかる。
お母さんは息子と孫には会いたいが、奥さんには会いたくない。
もちろん奥さんも会いたくない。
だったらいちいち一緒に帰省なんかしないで、出会い系でイケメン君とパッコンパッコンしていた方がいいじゃないですか。
そうすれば奥さんもお母さんもハッピー、WIN WINじゃないですか!
中には「ウチはうまくやってます」と平気で言う奥さんもいますが、それはどちらかが賢いだけです」
「相談した私がバカでした、もう結構です!」
「まあそう言わずに。
その家、築何年ですか?」
「主人が小学校の時って言ってましたから、30年以上にはなります」
「だったら建替えたらいいじゃありませんか?」
「建替ですかー」
「そう、それが一番いいんです。
ただし、無理はしないこと、家賃並みの支払いで建てるんです」
「そんなの出来ますか?」
「今は金利が安いからね、1%前後だから住宅ローンも組みやすい。
それで完全分離型の二世帯住宅にすればいいんです。
そうすれば奥さんの悩みは半分以上は消えます、顔を合わせる時間が減り、イヤなら自分にシェルターがあるんですから。
特に水回りはきちんと分けること、特にお風呂ね。
奥さんは専業主婦なの?」
「いえ、看護師をしています」
「そりゃ大変だ。
だったら風呂くらい、自由に入りたいよね?」
「そうなんです、いつも義母に気を遣いますからね」
「よくご主人と相談してみて下さい」
「考えてみます」
「それが出来ないなら・・・」
「出来ないなら?」
「お母さんをもっと怒らせてストレスを与え、甘い物やしょっぱい物、脂っこい物をたくさん安部差せることですね。
あるいはもっと簡単に、医療関係者さんなんですからそこは・・・」
「もう結構です!」
「おこられちゃった。
はい、次の人、どうぞー」
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