第74話 ギルド見学6

ギルド見学名物、解体部門での、焼き肉パーティー。ギルドの裏側の敷地に、広げられたバーベキューセット。

キャーキャーする子供たちを宥める先生たち。


「鉄板に触るんじゃないよ!食べたいのがあったらいいな!」


 職員たちが振る舞う。ジュージュー焼けている音は、お腹の虫を鳴らしてる子供たちのハートを射抜いてる。


「あれ?フラン、ノア、どうしたの?食べないの??」

 焼けた肉を皿に盛られてるが、手を出してないので、聞いてみる。二人ともお肉は大丈夫な筈。

「お肉が大きくて。」

「食べづらい。」

 あー。二人は、お家では、食べやすいサイズに事前に切られているお肉を食べている。確かに、今、皿にある肉は、少しでかめ。


「ロザリー。二人のお肉、切って!」

「あらあら。大きかったかい。ごめんね。ほら。」

 食べやすいサイズに切り直してもらい、二人はありがとうと笑みを浮かべ、モグモグ。

「このお野菜も美味しい。」


 優等生、オフィーリアは、野菜も食べている。リーサ等、肉しか食べてない。フィルがいたならば、そのような真似は、決して許さない。

「タレも美味しいね。」

 ジオルクはタレに肉をつけながら、美味しそうに食べる。

「エドガー。あーん。」

「ふふ。あーん。」

 安定の仲良しぷりを見せるアルミンとエドガー。


「アルミン、ブルーブルのお肉が好き。」

「美味しいね。」

 ブルーブルは牛である。魔物の肉の中では、人気が高いお肉。

 コハクは、友人に、何を食べるか?と聞かれ、答えて、お皿に盛られていく。

「リーサ。あんた、待ちな。野菜は?」

「カボチャと玉ねぎ、食べた。」

 キリッ!

 肉より、断然少ない。

 マリーが呆れ顔をするが、その皿には大量の肉が山盛り。

 マリーのボーイフレンドであるニコルが、隣で笑ってる。


「マリー、あんた、呆れ顔をしているけど、あんたも野菜を食いな!ほら!」

「あたしはちゃんと食べたわ。ねえ?ニコル。」

「ふふ。」

 ニコルは、クスクス笑う。ちょっと!とマリーは焦ってる。リーサは、盛られたピーマンをせっせと、ジオルクの口に入れる。



「まあ、こうなることは、予想済みだよ!」

 お腹いっぱいになった子供たちは、眠たくなり、うつらうつら。

 何人か危うい。

「学校に戻るまでに寝ちまうね。まあ。手は打ってあるよ。アンタたち、これをあげるよ。」

「??」

 眠たさで、耳に入らないが、何だと見上げる。

「スタンプだよ。アンタたちがちゃんといいこで、ギルド見学出来たって証さ。」

 生徒全員に押されたスタンプの紙を手渡す。

 いいこと言われ、眠たさがあるが、ニコニコ。


「学校側の許可を得てるからね。帰ったら、家族に話してやんな!」

 すると、地面に魔方陣が出てきた。

 みんな、各家に飛ばされ、目の前に保護者たちが待機していた。

 フィルを見たリーサはいち速く、

「おばちゃーん。」

 飛び付き、安心して、寝落ち。

「よかったわ。持ってくれて!」

 ハラハラしていたフィルは、リーサを抱え、中に入る。きっかり、二時間、昼寝した。

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小さなベイビー、大きな野望 春子 @0525-HARUKO

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