第4話運命の日

11月初め、連絡会議が始まる。

最後の会議である。この日、日本の運命が決まった。

海軍は陸軍が起こした戦争の火種に、参戦するは嫌だったのだが、戦争を機に物資の要求をする。

海軍の鉄は110万トン、陸軍の鉄は79万トンで話しがついた。

陸軍はこの火事場泥棒的な海軍を批判した。

陸軍総長の杉山は、海軍大臣の嶋田に、

「それだけ鉄をもらえば、戦うのだな?」 との問に、静かに頷く。

会議は午前9時に開始されて14時になっても、話しは進まない。

結局は臥薪嘗胆は無理だと全員が納得した。

2の即時開戦と3の外交と戦争準備に付いて、話しがされた。


杉山陸軍総長は、戦争の日時をさとられないように、東郷外相に誤魔化しの外交を勧めたが、東郷は猛反発した。

話しは膠着状態。

そこで、外務省は前回提示した支那からの撤退、南部仏印の陸軍撤退の甘い内容を甲案とし、もっと踏み込んだ案、乙案を提示した。そこには、即時撤退などが書かれていた。

これに、統帥部は猛反発した。

東郷は乙案が認められなければ、辞任すると言ったが虚しかった。

支那からの撤退は25年をメドになどと、骨抜きの案にされ、アメリカに要求するも、却下された。

その日、16時間かけて会議をしたが、12月8日、日本は真珠湾攻撃を始めて泥沼の戦争を起こす事になる。

さて、ここで、誰が戦争の責任なのか?

それは、統帥部なのか?マスコミなのか?国民なのか?

だが、あの時、この戦争の間違いを誰も分かっていなかった。

反戦派はいた。しかし、声は届かなかった。

連日の新聞の見出しに国民は喜んだ。

そんな時代だったのだ。

そして、その責任は、東条英機らが負わねばならなかった。

ここに、戦争の前の一部を書いた。

もっと詳しく書きたかったが、右寄りと言われるのがオチだから書かなかった。


同じ過ちを繰り返さない事を願い、世界の戦争の終結を望む。


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大東亜戦争は誰の責任なのか? 羽弦トリス @September-0919

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