大東亜戦争は誰の責任なのか?

羽弦トリス

第1話近衛文麿の憂鬱

おはようございます。

これから、大東亜戦争開戦までの話を書いていきたいと思います。悲惨なあの戦争を二度と起こさない為にも、目を背けてはいけないドラマがあります。

おっと、主人公である東条英機が近衛邸に到着しました。


「閣下、お誕生日おめでとうございます」

と、チョビ髭にメガネ姿の陸軍大臣の東条英機は首相の近衛文麿に言った。

「ありがとう。さっこちらへ」

近衛文麿は、客室に案内した。

そこには、海軍大臣及川古志郎、企画院総裁鈴木貞一、外務大臣豊田貞次郎、大蔵大臣小倉正恒らが席に座っていた。

近衛は、酒片手にため息をついていた。

周りは鯛の刺し身を食べながら、酒を飲んでいる。

「外務大臣、日米交渉の進展はどうですか?」

豊田は箸を置き、

「まだ、妥結の可能性はあると思います」

「そうですか、私は外交に期待を寄せているんだが……」

「外交の妥協の見込みは無しと思われます」

と、陸軍大臣の東条英機は言い放った。

「アメリカはシナからの即時撤兵を主張しております。日本は既に18万の死者を出し、その英霊に対して申し訳が立たない。撤兵はダメ!弱腰な外交は不可!」

東条は酒を呷った。

「しかし、外交と戦争の道を選ぶとしたら外交と言うより他はない」

近衛は憂鬱だった。

「海軍大臣にお聞きしたい。あなたがたは戦う覚悟はあるのか?」

東条の矛先は海軍大臣に向かった。

「外交と戦争と言うならば、外交と言うより他は無い。それを選ぶのは首相の仕事である」

「もし、戦争なら戦うのだな?」

「戦力比の違いが大きすぎる。海軍は敢えて危険な道を歩みたくはない」

「何だと!海軍は逃げるのか?」

「陸軍大臣、私の知っている限りでは、戦力比は10対1で日本が不利なのです、物量的にも不利だ。私は戦争に自信がない」

そんな近衛に東条は、

「若い血の気の多い陸軍証拠らを、私は押さえて来たが、もう責任は持てん!また、あの時の様になりますよ!皆さん、覚えてますか?」


この時の東条英機が言った「あの時」とは、5年前に起きた、2.26事件の事である。

しかし、陸軍大臣の東条英機は強気であるが、支那事変に置ける死者に対して申し訳が立たないのだ。


近衛はそれから間もなく、総辞職した。

次の内閣に世論は緊急した。

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