おためしから始まる恋

yellow

第1話

「会長〜?」


1限目の授業が終わり次の授業の準備をしているとクラスメイトの七瀬ナナセさんが話しかけてきた。


「先生が会長のこと呼んでたよ〜」

「あ、うんありがとう」


たしか先生は今職員室に…。

先生から呼び出されていることを七瀬さんに聞くと先生がいるであろう職員室に向かおうとし、自分の席から離れる。


ー職員室ー


教室から出て階段を降り職員室の扉の前に立つ。


コンコン


「すみません〜…」


そっと職員室の扉を開けて職員室を見渡すと職員室の入口の近くに担任の石川イシカワ先生が椅子に座ってパソコンを見ていた。

職員室に誰か来たのを察したのか入口の方に振り向いた。


「あ、会長」

「急に呼び出してごめんな」

「あ、いや全然…」

「あのなちょっとこの資料とダンボールを運んで欲しくてな」


先生が取り出してきた資料の数はありえないほどだった。ダンボールの中には辞書やら分厚い本などで持つとめちゃくちゃに思い…。資料の量は多すぎる…。


「えっと…これをどこまでですか?」

「図書室の裏部屋に運んでほしいんだ」


図書室の裏部屋か……、あそこ落ち着くんだよな……。なんて考えながら先生が持ってきた資料をダンボールの上に乗せてダンボールを持つ。


「重くないか?」

「まぁ…ちょっと…でも大丈夫です!これぐらいは…!」

「そうか?無料しなくていいぞ」

「大丈夫ですよ」


僕が先生にそう言うと先生は納得したよな顔をして先生もダンボールを持って僕と横に並んで歩く。


「いやぁ〜いつもありがとな会長」

「いえ全然」

「なかなかみんな手伝ってくれなくてな…」

「まぁそうですよね…」

「会長がいて助かるよ…!」


先生はニッと笑って僕に笑顔を見せてくる。


「先生これ何に使うんですkっ?!」


ドンッ


「いった……」


曲がり角を曲がる時左側通行をしている人と正面からぶつかって尻もちをついてしまった。


「大丈夫か?」

「あ、はい…」

「お前も大丈夫か?って…海斗カイトじゃねぇか」


海斗とは小学校から高校まで全て同じの幼なじみだ。昔からヤンチャでよくイタズラをしていた。


「あぁ会長ごめんね〜」


そう海斗は言ってまた左側通行で廊下を走っていく。


「はぁ…海斗ったら…」

「右側通行だぞー!走るなー!」


先生が大声で呼び掛けても先生の声が聞こえていないかのようにスルーしていく。


「ほんとあいつは…」

「いつもの事ですよ…」


床に散らばった資料をかき集めてまたダンボールの上に乗せ図書室に向かう。


ー図書室(裏部屋)ー


図書室の裏部屋に着くと部屋は真っ暗。

電気をつけてもあまり明るくはならないし、窓も付いていないので日光の光は一切入らない。


「えーっと…ここに置いといてくれるか?」

「はい」

「よしっ…」

「会長ありがとな!」

「いえ全然そんな…」


先生に向かってペコペコとお辞儀をして言う。


「じゃあもうすぐ授業だろ?」

「急いで戻りな」

「あ、はい」

「ありがとな!」

「はーい…」


図書室の裏部屋から出て教室に戻る。


ー教室ー


席に着くとチャイムが鳴りみんなゾロゾロと席に着いていく。


「号令〜」

「規律」

「礼」

「着席〜」


数学の担任の先生が「号令」と言うと日直が号令をする。


「今日は前回やった...〜〜〜〜」


ー放課後ー


「あ〜…どうしよう…」

「会長どしたん?」

「あ、もしかして好きな人出来たとか?!w」


授業がおわって放課後、みんなが教室から出て帰っていくころ海斗が話しかけてきた。


「んなわけ…w」


そう笑って誤魔化す僕だけどほんとは好きな人ができて困ってるんだよなあ…。

しかも好きな人は…





"コイツ海斗"だし。





















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