私の為に出世してくれますか

見合いの席で、若干十三歳ながら年にそぐわぬ野望を吐露した兎木子。そんな彼女はただ野心があるだけでなく、実際とても頭が回ります。それでもって実家を追い出された烏京をさっそく助ける様は、守られる妻というよりかけがえのない相棒！ 一気に兎木子が好きになりました。彼女のこれからの活躍がますます楽しみです。

烏京もクールなタイプかと思いきや兎木子を贄にされたことから実家に歯向かうなど、熱い一面があって魅力的。

現代風の部隊でありながら大正浪漫を漂わせている文体は描写が丁寧で、心地いい没入感がありました。ぜひおすすめしたい良作です。