旅立ち
グムハザの大司教を打ち果たしてから半年が経っていてラーナ大陸の各国は落ち着きを取り戻しつつあった。
ラーナドゥール王国は魔物達との戦いで各地の諸侯達との絆が深まり、エマール王国ではニールが正式な国王となっていた。
アルムガルド帝国は皇帝レオニスの元、帝政を廃して各民族の代表者で政治を行う元老院を設立した。回りの声もありレオニスは初代議長となりアルムガルド帝国は共和国となった。
セレディア王国はラーナドゥール王国とアルムガルド共和国の支援の元、復興の道を歩んでいる。
レイノルズ王国は変わらずラーナ大陸の国々と交流を重ねている。
ウィスタリア王国とマルクス王国も各国との連携に変わらず重きを置いていた。
ラーナドゥール王国の公都ハウルナートに戻っていた、ルシアス達はエディに会いにいった。
「いくのですか?ルシアス」
「はい、陛下。私達は女神アイリス様から託された使命があります。このままあの魔族の公爵を放ってはおけません。」
「私を公爵の位から退位させていただきたく存じます。」
「ルシアス、貴方が戻るまで私達は待ちます。戻った貴方を迎えいれるために貴方には変わらず公爵のままでいて頂きます、
それが私からの王命です。」
「陛下、、、、わかりました必ず魔族の公爵を封印して戻って参ります」
「待っていますよ、船は南の港街のものを自由に使ってください。」
「ありがとうございます、エディ陛下。」
話しが終わるとルシアスは謁見の間を後にした。城の外で仲間達が待っていた。
「皆、本当にいいのか?」
「もちろん!」
「私の使命でもあるわよ。」
「セシルさんの言うようにシェイダル神に仕える私の使命でもあるよ、ルシアス。」
「ルシアス様に仕えることが私の仕事です。」
「話は決まりましたね。では皆さん港に向かいましょう。」
「バルアがいれば楽なんだけどねー。」
「卵はどうなったの?ルシアス」
マナの一言にルシアスは肩から下げた袋の卵を取り出すと卵から動きがある事に気づいた。そらから少しすると卵が割れて小さな竜が鳴き声をあげた。幼竜の頭を撫でてルシアスは言った。
「おかえり、バルア。」
そしてルシアス達は幼きバルアと共にラーナ大陸を後にした。
ラーナ大陸記 黒髪の公爵と銀の乙女 atias @atas
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