めちゃくちゃ面白い小説です。特にフットボール全般に対する解像度は、思わず唸りをあげるレベル。
Jリーグや海外リーグでの出来事や戦術トレンドの変化が詳しく描写されている。加えてプレーに関する知識も豊富なので、試合のシーンは臨場感が抜群です。
また作中に登場する実在の選手たちも、公表されているプロフィールと人物像がかなり近い印象を受ける。本当に良く調べられているなあ、と感心します。
特に序盤から登場する中島選手については、作者さん自身が同じチームでプレーしてきたのではないかと個人的に思うほど。
肝心の物語も素晴らしい。
時間逆行に伴う経験・情報チートが絶妙にアドバンテージを発揮し、読んでいてワクワクが止まりません。文体もユーモアに溢れ、読者を飽きさせません。
フットボールに詳しい方は、共感や新たな発見を重ねながら物語を楽しめるはず。
フットボールに詳しくない方も、わかりやすい解説があるので抵抗なく物語を楽しめるはず。
とにかく、たくさんの方に読んでほしいイチオシのフットボール小説です。
本編の前日譚たる『私の彼はフットボーラー』も必読です。