第5話


運転手さん、このスタジオですよ。当時の僕がメンバーを叱ってしまって、バンド解散まではなしが広がったのは」






「では昔の自分と話さなきゃなりませんね」






すると昔の若い黒田がタバコを吸いに外に出てきた。






その昔の黒田に今の黒田がTAXIから降りて話しかける。






その様子を見ている運転手。






今の黒田がTAXIに戻ってくる。








「どうでしたか?」








「なんとか話しはつきました」








「ずいぶんすんなり行きましたね」






「所詮僕なんで信じやすいんですよ」














昔の黒田がこちらに、にこりとしてスタジオに入って行った。






「どうします?未来に戻りますか?」






「はい、お願いします」










TAXIが動き出す。




過去の東京を走るTAXI。










「そろそろ未来への入り口に入りますねー」






スピードを上げて光に包まれた。






時計を見ると深夜2時に戻っていた。






黒田が言った






「ちょっと待ってて下さい」






何かを取りに行った黒田が帰ってくる。










「これ俺たちのデビューCDです」








「あ、バンド解散しないでCD出した訳ですね!」










「では私は今回過去に行って良かったのでしょうか?」








「はい!」








「ではこの辺で私は失礼いたします」










「ありがとうございました」








黒田は部屋に戻ってまた曲を作り始めた。
















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

東京夢TAXI2 寅次郎 @jkrowling

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ