第3話 100m走、トップアスリートーたちの舞台裏

しかしながら、世界のトップスプリンターたちって、こぞって黒人ですねえ。。。


DNAが関係しているのは間違いないとは思いますが、海藻は何気にそれ自体はたいしたことじゃあないと考えています。


例えば、ノア・ライルズなんかは酷い喘息持ちで、幼少期は学校に行けずホームスクーリングだったほど身体が弱かったそうです。

世界最高峰のスプリンターになる人物として、決して恵まれていたとは言えません。


世界最高峰のボルトは身長が高いから有利だと勘違いする人もいますが、実は196cmの彼は高すぎて一般的にはスプリントに向いていない体格です(170cm〜190cmがベストと言われています)。

ただ、彼は死ぬほど基礎練習をする練習化け物だったらしいです。


逆に身長の低い選手は無理でしょうか?


いや、最も世界で金メダルを取ったシェリー・アン・フレーザー・プライスも、身長は153cmしかありません。


去年からずっと勝ち続けているアメリカの最高峰であるシャカリ・リチャードソンも、155cmしかありません。


この2人は、女性の中でもかなり低い方です。

恐らく、女性では160cm〜180cmあたりがベストなはずですが、それぞれが現代のトップを走るスプリンターです。


体格、生まれつきのもの、というものは、乗り越えていける要素が圧倒的に強いのではないのかな、と考えます。


それを信じることができない者は、上に行くことができないのではないでしょうか。


✨✨✨✨


ネトフリに出ている「Sprinter」というドキュメンタリーを知っているでしょうか?


今月(2024年7月)ネトフリに出たドキュメンタリー番組で、短距離のアスリートたちの舞台裏を紹介しています。


ノア・ライルズなんかは、陽気に歌いながら歩いてたりしていますし、シャカリ・リチャードソンも、大阪のおばちゃんよりもバカでかい声で、言っちゃあ申し訳ないですけど、ギャングの一員かというような喋り方です。


どのスプリンターも、とにかくエネルギー溢れる様子が傍目で見てもわかります。


こういったエネルギーがスプリント力につながっているのかなって思います。


そう、強いていうなら、性格が細胞に作用しているのではないかと…活発に動いているとミトコンドリア増えるらしいですし。


そういえば、桐生選手も、ワームアップは「ウオォォォォ」ってやって終わるそうです。脳筋ですねえw


全身の勢いを使った、出し切る事に全てを注ぐ競技ですからね、エネルギーがないとダメですよねw


✨✨✨✨


そして、彼ら、彼女ら、スプリンターたちの人生を賭けて望んでいる様子も並々ならぬものがありました。


ドキュメンタリーの中では、「やるか、死ぬか」とか、「1対8の死闘だ」とか、「俺は殺しにいってる。俺が勝つために。」とか、本当にスプリントの話?(笑)

なんかの格闘技イベントじゃなくて?(笑) というような言葉が飛び交います。


一回一回のレースにかける意気込みが半端ない。


「喉から手が出るほど勝利が欲しい…そんな人たちの集まり」、のようです。


そして、プレッシャーも半端ないですね。


ベストから少し遅く走っただけで、メディアだのSNSでは「何が失敗の原因だ」、とか、「期待を裏切ってしまったと感じましたか」、とか、とにかく無神経な質問の嵐。記者会見なんて、ボクシングの世界絶対王者さながらの囲まれよう。


実際、一歩の価値が何十万ドル、なんて世界です。


走っている人たちは、貧乏なところから這い上がった人たちもいますし、スプリント以外ではごく普通の人々。スプリントに人生を賭けているところで共通しているというだけです。


まま、普通じゃないと言えば、200m女子の世界陸上銀メダリストのガブリエル・トーマスなんかはハーバード大学出身の才色兼備なエリートアスリートなわけですが、コーチが「いつもニコニコしているが、中は激しい烈火の如くだ。」と表現するほどの執念を見せるようです。


プレッシャーの中ひたすら走り続ける…裸一貫で世界に出ている人たちばかりだなと感じました


プレッシャーと言えば、前回のオリンピックチャンピオンになったイタリアのマルセロ・ジェイコブズは、五輪後にちょっと怪我をして、休んでからの復帰の際に、すごいプレッシャーのせいで一時的に精神を病んでしまい、五輪以来、うまく成績を残せていないです。

それなのに周囲の人は「五輪は偶然勝った」みたいな評価を下したりします。

彼も五輪出場権は手に入れてますので、気負わないよう頑張って欲しいです。


イギリスのザーネル・ヒューズも、今年イギリスの100m記録を更新したばかり(9.83)で、ノリに乗っていますが、英国の期待が一気に集まり、メディアには一挙一同を追われている様子が伺えます。


みんな、人生賭けてやっている感が半端ないです。メディアに対しても相手選手に対しても、かなり挑戦的な発言をする選手たちもいて、ほわーって感じです。


「スプリンターは、勝ちたいという気持ちがなかったらダメだ。自己中心的じゃなかったら、この舞台に立つべきじゃない。」

ドキュメンタリーの中の誰かのセリフであったと思います。

このレベルの人たちからすると、それが当たり前なんでしょうね。


だけど、試合が終わったらノーサイドなところも見られますw


去年のブダペスト世界陸上でシャカリ・リチャードソンが優勝して、シェリー・アン

・フレーザー・プライスとシェリカ・ジャクソンが三人でメダリストとして写真を撮る時の小話です。


シェリーが、「あなた、よっぽど金(おかねの金と金メダルをかけていると思われます)が好きなのね!」とシャカリを皮肉ってからかおうとします。


「ほんと、あなたたち二人のせいだからね!」とシャカリが返し、三人で笑いあっていました。


普段の時は何が何でも自分が勝つ、と息巻いていても、お互い認めているってことなんでしょうね。


ちなみに、シェリーは有名なジャマイカチームから抜けて、そのチームのエースは今シェリカ・ジャクソンです。


残念がっていたコーチのために、シェリカは何がなんでも勝ちたかったみたいで、チームを抜けたシェリーやエレーンには絶対に負けたくないというような事を言っていましたが、終わってからこうして笑い合えるのは素晴らしいことですね。


ライルズだって、フレッドカーリーをかなり敵対視しているような事を言っていますが、何気にブダペストの世界陸上で、彼が準決勝でうまくいかなかった時なんか、画面越しに走っている様子を見ながら、「まずい、まずい、ああ…」と言って、彼が準決勝で消えたのを残念がっていたように見えました。


カッコいいですねw


とはいえ、シーズン中は、レース直前までは彼ら彼女らは敵同士。

何がなんでも俺が、私が、と優勝を狙いにいきます。

彼ら、彼女らにとっては、スプリントは狩りとかそういうのと一緒で、追わなきゃ、仕留めなきゃ、生き残れない、そういう世界なのかなと思います。


こんな連中に日本人とか、勝てるのかな。。。笑


並の覚悟では到達できない領域、それが人類最速の世界なんだな〜って思います。


ロマンありますねえw

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パリ五輪陸上100m!日本と世界! 海藻ネオ @NoriWakame

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