あとがき

あとがき

 シドがアルディラ王国で関わった事件についての簡単な年表は、こうだ。(年は全て西部大陸暦)


一四六八年

 第二次ハイマール地震


一四七〇年

 アルディラ王国、カシリア三国領に侵攻し併合する


一四七二年

 水面の貴婦人事件

 アルディラ王国で王位を巡る内乱勃発

 コルネット市においてアルディラ国王を狙ったテロを鎮圧


一四七四年

 七貴族の反乱

 王軍側、アルディラ義勇兵らの協力による王都奪還


一四七六年

 王立国民軍制度の設立


一四七八年

 内乱終結(反乱七貴族の処刑)

 アルディラ新政府発足


一四八〇年

 銀嶺山荘襲撃事件

 モッティ・フルムーン国外逃亡


一四八一年

 アルディラ王による「アルディラ平等宣言」

 アルディラ王、シェイリアム・アルディリウス二世、暗殺によって死去

 アルディラ王国内の主要十五市に「王立孤児院」の設立

 シルベリウス旧教会を王立図書館として開放


一四八三年

 アルディラ共和国発足

 アルディラ共和国憲法の発布

 

 ──絶対君主制時代の終焉は、民主共和制の肥料となるかに思われたが、翌一四八十四年、モッティ・フルムーンがシルバーラント帝国宰相に就任し、富国強兵政策をとることで、生まれたばかりの共和国に緊張が走ることになる。


 その五年後。

 元アルディラ軍人ヴィマルを擁したシルバーラント軍三万がアルディラ共和国への侵攻を開始。三年にわたるアルディラ・ランドン連合との戦いが始まる。


 その戦争の最中にシドはシルバーラント軍の魔術師が仕掛けた大地震ランドクエイクによって行方不明となり、その後の軍務を急遽レイ・スターシーカーが執ることになる。


 彼らが夢見た血を流さない戦いの世界は、ほんの少し先である。



(了)


★★★ 作者より ★★★


 最後までお付き合いください、ありがとうございます!

 シドのお話はここで終わりにしようと思います。


 公募作品をカクヨムに転載しましたが、Web小説の連載向きではない構成や、ラノベの人気要素がないので、なかなか苦戦しますね。

 最後までお付き合いくださった、読者の皆さまには感謝しかありません。

 本当にありがとうございます。


 本作は「視点役の交代」を構造としている作品で分類的には「三人称多視点」という視点に属しています。娯楽作品でいくと、ラノベでも割とありますが、湊かなえ先生が得意としている奴ですね。


 しかし三人称多視点が得意とする「同じ事象を別視点で描く」という視点交代ではなく、「同じ人物について時系列に別視点で描く」という視点交代を試みた構造です。


 創作上の理由として、「理解できない側」から、描いたほうが、異世界転生転移特有の「オーバーテクノロジー」を活かせると判断したからです。


 Web小説やライトノベルは、小説の実験の場でもあると思うので、試してみたかった手法の一つをやれて、ちょっとだけ満足です。


 話が進むにつれ、地震が転移のきっかけになっているという仕掛けが明らかにされ、異世界(と言われる日本)の知識で自分の世界(と言ってる異世界)を変えられないかと試みるけど、異世界側の人からすると、それは突飛な発想に見えるという話です。


 この手法で、いつか関ヶ原や大坂の陣に挑戦してみたいなぁと思っています。事象を重ねながら時系列で別視点で進めるとか、面白そうですよね。


 ちなみに某レーベルさんからは、選評で「これは額縁にしたほうがいい」というアドバイスをいただきました。

 確かに。その手もあったかも。

 でも額縁小説は、既に別作品でやっていたので、思いつきませんでした。


 小説は「視点の芸術」でもあります。ストーリーを登場人物のどの視点から描くかで、同じ話でも伝えたいことや切り口が変わって面白いですよね!


 さて。残すは三人称神視点と二人称ですね。


 また次回作もよろしくお願いします!

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【完結済】最低限健康で文化的な『異世界創造』 玄納守 @kuronosu13

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